米IBM、ユーストリームを買収 クラウド動画サービス強化
【ニューヨーク=稲井創一】米IBMは21日、クラウドを使い動画配信サービスを手掛ける「ユーストリーム」を買収すると発表した。米メディアによると買収金額は約1億3000万ドル(約150億円)という。
動画はデータ量が多いため企業の自社サーバーで管理するには負担が重い。クラウド上の管理に加えてデータ分析への需要も高まっている。IBMはクラウドを重点分野に据える。高度な動画技術に加え、米航空宇宙局(NASA)などを顧客に持つユーストリームは相乗効果が大きいと判断したようだ。
新設するIBMクラウド・ビデオ・サービス部門にユーストリームを吸収する。IBMは人工知能を使った認知コンピューター「ワトソン」による動画分析を視野に入れており、製造業の現場におけるIoT(モノのインターネット化)分野などへも動画サービスを展開する。
IBMは2015年にビデオ管理会社のクリアリープやビデオ保存会社のクレバーセーフ社など動画関連企業を相次ぎ買収した。クラウド基盤の動画関連のサービスやソフトウエア事業の市場規模は1050億ドル(約12兆円)に膨らむとIBMは予想している。