トランプ氏、所得公開応じず 「あなたには関係ない」
【ワシントン=共同】米大統領選の共和党候補指名を確実にした実業家トランプ氏(69)が、所得公開を求める米メディアに「あなたには関係ないだろう」と言い放ち、波紋を広げている。
歴代の大統領候補は公開するのが慣例。民主党候補の指名濃厚となったクリントン前国務長官(68)は早々と公開。「トランプ氏は何を隠しているのか」と攻撃材料にしている。
トランプ氏は昨年まで所得を公開するとしていたが、指名獲得を確実にした後は一転して後ろ向きに。
米メディアに「有権者には知る権利があるのではないか」と追及されても「そうは思わない」とかたくなで、「大富豪」ぶりを自慢する普段の姿とはかけ離れている。
ワシントン・ポスト紙は、トランプ氏が1970年代後半の2年間、税優遇制度を使って「所得税を全く払っていなかった」と報じた。トランプ氏を支持する労働者層が税負担の増加に悩んでいるのとは対照的だ。
非公開の理由を「米内国歳入庁(IRS)の監査が続いている」と説明しているが、監査中でも公開した事例は過去にあり苦しい言い訳に映る。
実際の個人資産は謎に包まれている。経済誌のフォーブスは昨年9月時点で45億ドル(約4950億円)と推計している。