米小売店の閉鎖相次ぐ ネット攻勢、年末も不振

2017/1/23 22:16
保存
共有
印刷
その他

【ニューヨーク=高橋里奈】米小売業の大規模な店舗閉鎖が相次いでいる。小売り大手シアーズ・ホールディングスは150店の閉鎖を決定。百貨店のメーシーズも閉鎖予定の100店のうち68店を年内に閉め1万人を削減する。女性用衣料のザ・リミテッドは17日に経営破綻し全250店を閉めた。ネット通販の攻勢が続く中、年末商戦も振るわず大手チェーンでも店舗網を維持できなくなっている。

シアーズ・ホールディングスはこのほど、傘下のディスカウントストア「Kマート」108店、百貨店のシアーズ42店の閉鎖を決めた。ホールディングス全体の店舗数は5年前と比べ半減する。

衣料専門店ではザ・リミテッドのほか、昨年経営破綻したカジュアル衣料のアメリカン・アパレルが「全110店は今後数カ月存続するが、その後はわからない」として全店閉鎖の可能性がある。アメリカン・イーグルや、2016年5月に経営破綻したエアロポステールも店舗の閉鎖を急ぎ、アバクロンビー・アンド・フィッチも不採算店の閉鎖を検討している。

スポーツ用品販売では、大手のスポーツオーソリティーが16年に事業清算し、全463店を閉鎖した。同業のフィニッシュラインも16年から20年までに全店舗の4分の1にあたる150店を減らす。

実店舗を展開する小売業の不振は深刻だ。全米小売業協会(NRF)によると、昨年の年末商戦は全体では前年同期比4%増の販売増だったが、百貨店は7%減少した。百貨店業界ではメーシーズやコールズも年末商戦の売上高が想定を下回り、16年11~12月の既存店売上高はともに前年同期比2.1%減だった。

対照的にネット通販など店舗外の売り上げは12.6%増えた。ここ数年のネット通販の急増のあおりで、店舗網を閉鎖・縮小せざるを得なくなっている。

米国では「身の回りのものもプレゼントもすべてアマゾン・ドット・コムでそろえる」(30歳男性)という若者が増えている。米ソフト大手アドビシステムズの調査によると、昨年の感謝祭翌週の月曜日(11月28日)でネット通販のセール日「サイバーマンデー」に、ネット販売では1日の売上高として過去最高の33億9千万ドル(約3800億円)に達した。実店舗は「ショーウインドー」代わりで、実際の買い物は在庫状況もわかりやすいオンラインでする人が増えており、米小売り各社はさらなる経営改革を迫られている。

電子版の記事が今なら2カ月無料

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]