欧州中銀、緩和効果を見極め 金利据え置き

2016/4/22 1:20
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【フランクフルト=赤川省吾】欧州中央銀行(ECB)は21日の理事会で政策金利の据え置きを決めた。域内の物価は低迷しているものの、3月に決めた包括的な金融緩和策の効果を見極める。理事会後の記者会見でドラギ総裁は「資金の流れが改善している」と語った。ただユーロ圏では行き過ぎた緩和策との批判も広がっており、域内でのECBの評価が割れる。

記者会見でドラギ氏が注意を払ったのは、金融市場の失望を招かないことだった。「使える手段をすべて投じる用意がある」。そんな表現で金融緩和を深掘りする決意を語り、市場の期待をつなぎ留めようとした。

次の一手の具体策には言及しなかったものの、「金利は現行水準か、それより低い水準になる見通し」との表現でマイナス金利の拡大にも含みを残した。デフレ懸念が深まれば追加策を講じることはいとわないとのメッセージを送った。

昨年末から市場との対話がうまくいっていないことを反省したようだ。

3月の理事会でも情報発信に失敗した。包括的な緩和策を打ち出したものの、市場は「これで緩和は打ち止め」と受け止め、ECBの思惑とは裏腹に通貨高となった。ユーロ高は輸入物価を押し下げるため、緩和効果を打ち消してしまう。

ただ金融政策が限界に近づいているのを金融市場が見透かしている。政策変更がなかったこともあって21日の為替相場の動きは鈍かった。相場をうまく誘導する手腕で名をはせたが「ドラギ・マジック」は色あせている。

そうしたなかで域内では政策効果への疑念が強まる。批判の急先鋒(せんぽう)に立つのはドイツ。「(マイナス金利は)大変な問題となっている」とショイブレ財務相は副作用ばかりが目立つと指摘した。

政治家が金融政策に介入するのは好ましくないとされるにもかかわらず、重要閣僚からの発言が相次ぐ。低金利は金融機関の収益を弱らせ、年金生活者や預金者を苦しませるとの認識が広がる。

「物価安定という責務はユーロ圏のためにある。ドイツのためにあるのではない」。ドラギ総裁は記者会見で金融緩和を正当化したが、ECBとドイツの溝は深い。

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