欧州中銀総裁「資金の流れ改善」 政策金利据え置き

2016/4/21 22:43
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【フランクフルト=赤川省吾】欧州中央銀行(ECB)は21日の理事会で政策金利の据え置きを決めた。域内の物価は低迷しているものの、3月に決めた包括的な金融緩和策の効果を見極める。理事会後の記者会見でドラギ総裁は「資金の流れが改善している」と語った。ただユーロ圏では行き過ぎた緩和策との批判も広がっており、ECBの評価が割れる。

ECBが国債を大量に買い取る量的金融緩和を鳴り物入りで始めてから1年がすぎた。だが物価上昇率はゼロ近辺で低迷し、デフレ懸念が払拭できたとはいえない。

そこでECBは3月に包括緩和を決める。銀行が余剰資金をECBに預けた際に課す「マイナス金利」の幅を広げ、国債の購入規模を上積みした。購入対象に社債を追加した。今回の理事会では、それを着実に実施することを確認した。

悩みのタネは尽きない。緩和マネーへの依存を深める金融市場は、ECBの一挙手一投足に過敏に反応する。

昨年12月はECBが示した緩和策が「小粒すぎる」と受け止めた。市場関係者の失望を誘い、ECBの思惑とは裏腹に通貨ユーロが急上昇した。3月も「これで緩和は打ち止め」との観測から通貨高につながった。ユーロ高は輸入物価を押し下げるため、緩和効果を打ち消してしまう。

期待をつなぎ留めるため、ドラギ総裁は記者会見で必要ならば追加策を講じる考えもにじませた。「使える手段をすべて投じる用意がある」。そんな表現で金融緩和を深掘りする決意を語った。

ただ、金融政策が限界に近づいているのは明らかだ。ドラギ氏は相場をうまく誘導する手腕で名をはせたが「ドラギ・マジック」は色あせている。

そうしたなかで域内では政策効果への疑念が強まる。批判の急先鋒(せんぽう)に立つのはドイツだ。副作用ばかりが目立つとの指摘だ。「(マイナス金利は)大変な問題となっている」(ショイブレ独財務相)

政治家が金融政策に介入するのは好ましくないとされるにもかかわらず、重要閣僚からの発言が相次ぐ。低金利は金融機関の収益を弱らせ、年金生活者や預金者を苦しませるとの認識が広がる。

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