2019年5月21日(火)

トルコ・ドイツ関係悪化 独の人権活動家拘束

2017/7/22 11:08
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【イスタンブール=佐野彰洋】ドイツが、強権をふるうトルコのエルドアン政権との関係見直しにカジを切った。トルコ当局によるドイツ人人権活動家の拘束がきっかけで、ガブリエル独外相はトルコと欧州連合(EU)の関税同盟改定に反対する考えを示した。トルコ側は反発しており、北大西洋条約機構(NATO)を通じた同盟関係にある両国の関係は急速に悪化している。

ガブリエル氏は20日、休暇を中断してベルリンで記者会見した。トルコには法の支配が欠如していると指摘したうえで「トルコへの投資を勧めることはできない」と述べた。EU加盟候補国としてトルコが受け取っている経済支援の停止を巡って加盟国と議論すると話した。トルコへの渡航情報も更新し、「十分な注意」を呼び掛けた。

昨年7月のクーデター未遂事件以降、エルドアン政権は公務員や軍人の大量追放など反対派への弾圧を強めている。ドイツは欧州の難民流入抑制でトルコに依存しているため、メルケル首相は対話を維持する比較的穏健な対応を続けていた。

だがトルコ当局は7月上旬にドイツ人の人権活動家を拘束。クーデター未遂勢力の一員とみられるトルコ軍人らの亡命をドイツが受け入れたことへの反発が背景にあるとされる。トルコはドイツ人記者を長期にわたって拘束するなど挑発的な行為を続けており、ドイツは対トルコで強硬姿勢に転じた。

トルコは反発を強める。同国のチャブシオール外相は20日、「脅迫やゆすりには決して屈服しない」と語った。エルドアン大統領も21日に「ドイツにトルコを暗黒に染めるだけの強さはないと忠告する」と反撃した。

ただトルコにとってドイツは最大の貿易相手との位置付け。2016年の輸出額は139億ドル(約1兆5千億円)、輸入額は214億ドルに達した。観光産業にとってもロシアなどと並ぶ主要市場だ。関係悪化による痛手はトルコ側の方が大きいとみられている。

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