インドネシア、高速鉄道の起工式 19年初開業
【西バンドン=渡辺禎央】インドネシアと中国の国有企業が整備するジャワ島の高速鉄道計画で、事業主体となる合弁会社などは21日、バンドン郊外で起工式を開いた。出席したジョコ大統領は「モノや人の移動が高速化し国の競争力も高まる」とし、両国の協力を歓迎。東南アジア初の高速鉄道として2019年初の開業を目指す。

合弁会社首脳は、18年末までに工事を終えるという当初計画に変更はないことを強調。使用部材の6割超をインドネシア製とし、労働力についても「中国からは専門家のみ受け入れる」とした。
路線や環境評価の認可に時間を要した結果、運輸省による建設認可は最終的な手続き中。「建設認可の前提である(20日夕に完了した)環境認可が確認できたため、あとは事務処理を残すのみ」(運輸省)としているが、長引くと建設のペースが狂う可能性はある。
路線はジャカルタを起点に、人口規模で国内3位の都市バンドンまで約140キロメートルを結ぶ。総工費は約55億ドル(約6400億円)。起工式を開いた地区は計4駅のうちの1つを置き周辺の都市開発も両国で連携する。
ジャカルタ―バンドンの高速鉄道計画は日本政府も提案していた。日本は政府間の借款と競争入札を通じた事業受注を想定したが、インドネシアは国有企業同士が出資する共同事業化により政府借款を用いないことを条件とした。条件を満たした中国案が採用された。