2019年2月16日(土)

南シナ海「当事国で解決」 中国・フィリピン共同声明
国際仲裁判決への言及避ける

2016/10/21 20:22 (2016/10/22 0:31更新)
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【北京=永井央紀】中国とフィリピンの両政府は21日、習近平国家主席とドゥテルテ大統領が20日に北京で行った首脳会談の共同声明を発表した。中比が領有権を争う南シナ海問題は、直接の当事国同士による話し合いで解決すると明記した。南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶとする中国の主張を否定した7月の国際仲裁裁判所判決への直接の言及は避けた。

北京の人民大会堂で歓迎式典に臨む中国の習近平国家主席(右)とフィリピンのドゥテルテ大統領(20日)=共同

北京の人民大会堂で歓迎式典に臨む中国の習近平国家主席(右)とフィリピンのドゥテルテ大統領(20日)=共同

南シナ海問題については「武力や脅迫に訴えず、直接の関係国の友好的な協議によって、領土や管轄権の争いを平和的に解決する」とした。航行自由の原則の重要性や国連海洋法条約などの国際法の原則を再確認するとの文言も入れたが「仲裁裁判」という言葉はなかった。米国や日本の関与を嫌い、仲裁判決の「棚上げ」を望む中国側の意向が色濃くにじんだ。

共同声明は「南シナ海での行動を自制すると約束し、問題を複雑にし拡大するのを回避する」との文言も盛り込み、2国間の定期協議メカニズムを設ける方針を示した。ただ南シナ海の海洋権益を、譲歩できない「核心的利益」と位置づける中国が、埋め立てや軍事拠点化の動きをどこまで抑制するかは不透明だ。

共同声明はまた「両国関係にとり防衛・軍事協力は重要な要素との認識で一致した」とし、人道支援や災害対策などの軍事交流の強化を挙げた。

インフラ建設などの経済協力では、訪中に同行したロペス貿易産業相が21日、中国側と合意した契約が総額240億ドル(約2兆5千億円)に達すると明かした。ドゥテルテ氏の地元、南部のダバオ市での中国領事館の新設、中国と結ぶ新たな航空路線の開設促進なども明記し、同氏を取り込もうとの思惑がにじむ。

ドゥテルテ氏は21日、4日間の訪中日程を終えて帰国する。25日からは大統領就任後、初めて日本を訪問し、安倍晋三首相との会談などに臨む。

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