北朝鮮解放の米国人学生の死因調査
【ワシントン=共同】米中西部オハイオ州シンシナティの検視事務所は20日、北朝鮮で拘束されている間に昏睡(こんすい)状態に陥り、13日に解放されたものの19日に病院で死亡した米国人大学生オットー・ワームビア氏(22)の死因調査を始めた。解剖は家族が拒否したため見送られ、医療記録や関係者への聞き取りなどに基づき行われる。AP通信が報じた。
ワームビア氏は解放後にシンシナティの病院に入院。検査の結果、脳組織が広範囲にわたって壊死(えし)していることが判明した。ワームビア氏の家族は声明で「北朝鮮のひどい扱いが、悲しい結末をもたらした」と指摘していたが、死因は明らかにしていなかった。
死因を巡っては、北朝鮮で拘束中に何度も暴行を受けていたとの報道があるが、病院側は「脳検査では外傷は見当たらなかった」と説明。何らかの原因で心肺停止となり、脳に血流が届かなくなったために脳の損傷が起きた可能性を示唆していた。
北朝鮮側はワームビア氏が1年以上も昏睡状態にあったと説明しており、トランプ米大統領は20日、記者団の質問に「オットーがもっと早く家に戻って来ることができていれば、結果は違ったかもしれない。もっと早くに連れて帰るべきだった」と述べ、北朝鮮の対応を批判した。