2019年6月25日(火)

胡耀邦氏の生誕100年、名誉回復が進む 行事に習氏出席

2015/11/20 19:27 (2015/11/20 22:42更新)
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【北京=永井央紀】中国共産党は20日、改革派の指導者で民主化運動への寛容な対応を批判されて失脚した胡耀邦・元総書記の生誕100年記念行事を人民大会堂で開いた。習近平総書記(国家主席)ら最高指導部の政治局常務委員7人が全員出席した。過去にない手厚い対応により胡氏の名誉回復は進んだが、今後の政治改革につながるとの期待は低い。

新華社によると習氏は記念行事で演説し「胡同志は自らの一生を党と人民のためにささげた」と功績を強調した。

胡氏は鄧小平氏の側近として1980年代前半から党主席、総書記として改革・開放政策を推進した。ただ、民主化を求める学生らに理解を示したことで鄧氏ら長老から「ブルジョワ自由主義を放任した」と批判されて87年に失脚。89年4月に死去すると追悼する学生の間で民主化を求める機運が再び高まり、2カ月後に当局が武力で鎮圧する天安門事件へとつながった。

その後、胡氏を評価する言論は伏せられていたが、清廉潔白な指導者として庶民からの人気は根強かった。生誕90年の2005年には当時の温家宝首相らが出席する記念行事を開いて一定程度の再評価がなされたが、海外出張中だった胡錦濤国家主席は欠席した。

100周年の今回は最高指導者である習氏の出席で再評価がさらに前進した。習氏は演説で「胡氏の公正清廉で自らを律する崇高な態度を学ばなければいけない」と強調。クリーンなイメージが強い胡氏の評価は「反腐敗運動」を展開する習指導部にとって求心力の向上になるとみられる。

親子二代にわたる習家と胡家の付き合いも影響した。胡氏が長老から批判を浴びた際、習氏の父、習仲勲・元副首相は最後までかばった。胡氏の息子である胡徳平氏と習氏は長年の付き合いがあるとされる。革命戦争に参加した党幹部の子弟である「紅二代」同士の強い結びつきが再評価の動きを後押ししたとの見方が多い。

ただ、胡氏の再評価の進展がそのまま政治改革につながるとの期待は低い。新華社電は民主化運動や天安門事件と胡氏の関わりを一切伝えていない。胡氏の功績と民主化への姿勢を切り分けて処理する思惑がのぞく。天安門事件で失脚した趙紫陽・元総書記を再評価する動きは今のところ見当たらない。

党内バランスへの配慮もうかがえる。胡氏の政治的ライバルだった保守派の長老、鄧力群氏が2月に死去した際、習氏を含む現役の政治局常務委員7人全員が葬式に参列した。党内には「11月に胡氏生誕100年行事があることを踏まえ、あらかじめ保守派に配慮した」との見方があった。これを機に改革派が勢いをつけると期待する声は聞こえない。

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