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ノルウェー中銀、3カ月ぶり利上げ 1.25%に

【NQNロンドン=椎名遥香】ノルウェー中央銀行は20日、政策金利を0.25%引き上げて年1.25%にすると発表した。21日から適用する。産油国ノルウェーでは石油産業の好調さを背景に経済が堅調に推移している。労働市場も拡大し、物価が上向いていることから金融政策の正常化を進める。オルセン総裁は声明で「政策金利は年内にさらに引き上げられる可能性が高い」と追加利上げを示唆した。

利上げは今年3月以来、3カ月ぶり。2018年9月に7年ぶりに金融引き締めに転じてから3度目の利上げとなる。利上げは全員一致で決定した。

判断の決め手になったのが物価上昇だ。5月のエネルギーなどを除くコア消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.3%上昇した。伸び率は18年11月以降、金融政策の目標である2%を上回って推移している。

オルセン総裁は声明で「ノルウェー経済は堅調に拡大し、想定よりやや強い」との認識を示した。雇用も改善していることから「さらに多少の利上げの必要性を示している」と説明した。米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)は緩和に転じるとの見方が強まっているが、ノルウェー中銀は引き締め方向を維持する。

ただし、利上げのスピードはゆるやかにする考えだ。20日に公表した金融政策報告書では「22年末時点は政策金利が1.75%をわずかに下回る」との予想を提示し、3月時点の「1.75%」から若干引き下げた。

報告書では貿易摩擦が激化すれば世界経済の減速や原油価格の下落を通じてノルウェー景気の重荷になるとの懸念を示した。世界経済の先行きを見極めながら慎重に利上げを進める。

追加利上げが示唆されたことで、20日のロンドン外国為替市場ではノルウェーの通貨クローネが買われた。対ユーロでは一時1ユーロ=9.66クローネ台と前日比1%ほど上昇し、5月上旬以来の高値水準を付けた。

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