戦闘機「F35」の機密情報、中国に漏洩か 豪紙報道
【シドニー=高橋香織】米国が英国などと共同開発し、オーストラリアや日本などが導入を計画している最新鋭ステルス戦闘機「F35」の設計に関する機密情報が、中国のサイバー攻撃で漏洩していたと19日付のシドニー・モーニング・ヘラルド紙が報じた。一方、中国外務省の洪磊副報道局長は同日の記者会見で「非難は全く根拠がない。中国はインターネットの安全問題では被害者だ」と関与を否定した。
豪紙によると漏洩は2007年に発生し、レーダーやエンジンの図式など膨大なデータに上るという。ドイツのシュピーゲル誌が米中央情報局(CIA)元職員のスノーデン容疑者から入手した機密文書で判明した。中国は盗んだ情報を最新鋭ステルス戦闘機の開発にいかしたとされる。
オーストラリアのビショップ外相は同日、地元メディアにスノーデン容疑者の暴露情報が「古いものだ」と強調し「米国が確実に対策を取ったと確信している」と述べた。豪州と米国、英国、カナダ、ニュージーランドは機密情報を共有する「ファイブアイズ」のメンバー。豪紙によると、5カ国の情報機関は中国のスパイサイバー攻撃にも連携して対応しているという。