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ロシア、対テロで孤立脱却狙う 欧米と関係修復探る

【モスクワ=古川英治】ロシアのプーチン政権がパリで起きた同時テロを利用し、対テロ共闘に向け欧米に攻勢を掛けている。過激派組織「イスラム国」(IS)掃討で世界的に結束機運が高まる中で自国機の墜落もテロと断定し、シリアでの軍事作戦をてこ入れした。対テロで欧米との関係修復を探りながら、ウクライナへの軍事介入を契機とした国際的な孤立から脱却する狙いだ。

プーチン大統領は対テロが主題となったトルコでの20カ国・地域(G20)首脳会議から16日に帰国するとすぐ会議を開き、10月末に起きたロシア機墜落を爆弾テロと断定した。調査結果が出るまではテロと断定しないとするこれまでの慎重姿勢を転換し、エジプト主導の調査団の判断を待たずに急きょ結論を出した。

その後の動きは素早かった。17日にはシリアを拠点とするテロ組織への空爆を倍増。ロシアから戦略爆撃機を展開して巡航ミサイルによる攻撃も実施したと発表した。パリのテロを受け、フランスなどが軍事作戦の強化に乗り出すの見て、「連携」を演出した。

プーチン大統領はオランド仏大統領が対テロを巡り米ロとそれぞれ首脳会談を開くとの発表を受け、地中海に展開する仏海軍との協力を調整することも指示した。ロシア国防省によると、仏ロ両軍幹部は19日、共同作戦を巡り電話で実務的な協議をした。

プーチン大統領は9月、シリアのアサド政権を含めた国際的な対IS連合を提唱し、直後に同政権を支援するためにIS掃討の名目でシリアへの空爆を開始した。アサド政権の退陣を求める米欧などとの溝は埋まっていないが、パリのテロを転機にロシアの思惑に近い方向に国際世論が傾きつつある。

米欧ロや中東の関係国の外相は14日の会議でアサド政権と反体制派の停戦協議を開始することで合意した。テロの脅威が広がる中で対ISを優先し、アサド政権存続の是非を巡る議論をとりあえず棚上げする流れだ。

米国は現時点でロシアを受け入れているわけではない。オバマ米大統領はG20会議で米欧諸国やサウジアラビアなどシリア領内の反体制派を支援する有志連合の枠組みでIS掃討作戦を強化する姿勢を示した。

これに対し、テロ対策を迫られるオランド仏大統領は来週、オバマ大統領とプーチン大統領とそれぞれ会談する。プーチン大統領は仏など欧州諸国の動揺を見透かし、軍事、外交の両面でたたみかけており、米欧に協力を迫る構えだ。

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