韓国左翼政党に解散宣告 憲法裁「北朝鮮に追従」
【ソウル=加藤宏一】北朝鮮の革命路線を追従し、韓国の体制転覆を図ったとして、韓国政府が提起した左翼政党、統合進歩党の解散審判請求で、韓国の憲法裁判所は19日、同党に解散を宣告した。憲法裁での政党の解散決定は初めて。同党の所属国会議員5人も議員資格を喪失した。
憲法裁の判事9人のうち8人が解散に賛成、1人が反対意見を示した。朴漢徹(パク・ハンチョル)憲法裁所長は「統合進歩党の綱領が北朝鮮の対南革命戦略に類似しており、党の活動で暴力を容認している」と指摘。そのうえで「韓国と北朝鮮が(軍事的に)対峙している特殊な状況も考慮した」と解散宣告の理由を説明した。
統合進歩党の李石基(イ・ソクキ)国会議員は昨年9月、朝鮮半島の有事の際に武装蜂起を画策したとして内乱陰謀容疑で逮捕され、政府は同年11月、同党の解散審判を請求した。ソウル高裁は今年8月、国家保安法違反で李氏に懲役9年、議員資格停止7年を言い渡し、李氏は大法院(最高裁)に上告している。