2019年2月24日(日)

ベトナム通貨1%切り下げ 人民元安で変動幅も拡大

2015/8/19付
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【ハノイ=富山篤】ベトナム国家銀行(中央銀行)は19日、同国の通貨ドンの対ドル相場の基準レートを1%切り下げ、1ドル=2万1890ドンとした。同時に取引の許容変動幅を上下2%から同3%に広げた。国家銀は中国の人民元切り下げを受けて、12日に変動幅を1%から2%に広げたばかりだが、輸出競争力の確保へ追加措置に踏み切った。

基準レートの切り下げは5月7日以来で、今年に入って3回目。国家銀は7月ごろまで「2015年は合計で2%以上の切り下げはしない」としていた。

ベトナムでは対中貿易赤字拡大が問題となっていた。中国は総輸入額の3割を占め、人民元安が進めばさらに中国製品の輸入が増える。15年1~7月でベトナムの対中貿易赤字は前年同期比30%増の194億ドル(約2兆4000億円)と拡大傾向にある。JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉チーフFXストラテジストは、ベトナム政府の措置について「対ドルの名目為替レートを切り下げて、物価を加味した実質為替レートを安定させ、輸出競争力を維持するのが狙い」と分析する。

国家銀は今年に入って3回の切り下げと2回の変動幅の拡大で、事実上5%の切り下げを実施したことになる。長年の懸案だったインフレは落ち着いてきたとはいえ、通貨切り下げは輸入品価格の上昇で物価上昇につながり、インフレを誘発する恐れがある。約600億ドルといわれる対外債務も通貨切り下げによって負担が拡大する。

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