北朝鮮、仁川アジア大会に選手団 応援団の派遣は見送り

2014/9/19付
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韓国・仁川アジア大会の19日の開会式に北朝鮮の選手団が出席した。韓国で開かれる同大会に参加するのは12年ぶりとなるが、当初予定されていた応援団の派遣は、費用負担を巡って韓国側と対立して見送られた。同日には韓国軍が黄海上で北朝鮮の警備艇に警告射撃を加える事件も発生した。南北関係の改善の見通しは依然不透明のままだ。

午後7時すぎに始まった開会式で、北朝鮮の選手団は入場行進で北朝鮮旗を掲げながら、日本に続いて30番目に入場した。選手団が姿をみせると、会場からはひときわ大きな歓声が上がった。韓国では国家保安法で北朝鮮旗の掲揚や所持を禁じているが、韓国は今回、選手らの掲揚を認めた。

スポーツ交流はその時々の南北関係を象徴する。北朝鮮に融和的だった金大中政権時の2002年の釜山アジア大会では南北の選手団と応援団が「統一旗」を掲げ共に入場した。05年の仁川アジア陸上競技選手権大会では「美女軍団」と呼ばれる応援団が派遣され、話題になった。

北朝鮮は今大会で選手団に加え、「美女軍団」も派遣する予定だったが、開催直前に中止を表明した。7月の南北の実務者協議で、韓国側から選手団や応援団などの滞在中の費用などで「国際慣例」に沿った負担を求められたことに反発したためだ。

02年の釜山大会で、韓国は北朝鮮側の滞在費などについて、北朝鮮の支援などを目的とする「南北協力基金」から13億5000万ウォン(約1億3500万円)を支払っている。韓国統一省は今回の北朝鮮の態度について、「我々の提案を中傷と主張して協議を決裂させた」と批判する。

韓国は、北朝鮮に対して、朝鮮戦争で生き別れになった離散家族の問題を話し合う南北高官級協議を提案しているが、北朝鮮は応じる姿勢をみせていない。また、朴槿恵(パク・クネ)大統領は、ロイター通信とのインタビューで、ニューヨークの国連総会での南北外相会談に意欲をみせるなど秋波を送るが、北朝鮮は沈黙を保っている。

北朝鮮は、日本と接触を続ける一方で、短距離ミサイルなどを断続的に発射し、韓国側に揺さぶりをかけている。聯合ニュースによると、北朝鮮の警備艇1隻が19日正午ごろ、韓国が黄海上の南北軍事境界線と位置づける北方限界線(NLL)を超えて南側に入り、韓国軍の警告射撃を受け、間もなく北側に引き返した事件も発生している。(ソウル=加藤宏一)

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