日米欧の先進国で「貧困」拡大 非正規雇用など原因か
国際労働機関まとめ

2016/5/19 9:47
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【ジュネーブ=原克彦】国際労働機関(ILO)は18日発表した2016年版の「世界の雇用・社会見通し」で、先進国で貧困が拡大しているとの調査結果を示した。貧困とされる人の割合が日本、米国、欧州連合(EU)のすべてで上昇した。非正規雇用の増加などに伴って経済格差が拡大したためだとみられ、ILOは各国に労働環境の改善を促している。

先進各国で可処分所得が中央値の6割に届かない「相対的貧困」に該当する人の割合を、05年と12年で比べた。12年は日本が05年より0.4ポイント高い22.1%、米国は0.8ポイント高い24.6%だった。EUも16.8%で、0.3ポイント上昇した。EUと米国は14年の統計もあり、EUは17.2%と12年からさらに上がった。

先進国全体では、働いても貧困状態にある「ワーキングプア」が12年に労働者の15%に当たる7千万人を超える水準になったという。

先進国とは別の基準である「絶対的貧困」を調べた新興国・途上国では「極度の貧困」と「やや貧困」を合わせた人が12年に36.2%と05年より14.2ポイント低下した。中国や東南アジアの経済成長を受け、アジア太平洋地域で大きく下がった影響が大きい。ただ、人数ではなお20億人に相当する。

ILOは「格差の拡大は経済成長を鈍らせる」と指摘。各国政府が労働条件を改善する政策を打ち出せば、税収増にもつなげられると主張している。

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