2018年8月15日(水)

アマゾン、49.99ドル格安タブレット 従来の半額

2015/9/19付
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 【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アマゾン・ドット・コムは17日、49.99ドル(日本の価格は8980円)の格安タブレット(多機能携帯端末)「ファイア」を9月30日に発売すると発表した。映画、楽曲、ゲームなど3800万以上のコンテンツをそろえ「お得感」を演出。成熟し縮小に転じたタブレット市場でアマゾンが値段で勝負に出たことで、タブレット全体の価格水準がさらに低下する傾向に拍車がかかりそうだ。

 画面サイズは7インチで、液晶には高精細パネル技術「IPS」方式を使った。従来の最も安い6インチモデルより解像度は劣るが、価格はほぼ半額だ。同程度の性能を持つ製品の中では最も安い水準だ。色は黒のみ。画面の大きさが同じ韓国サムスン電子の「ギャラクシータブ3ライト」と比較した場合、データ処理能力は2倍以上高いが、価格は半分以下だという。

 大手メーカーのタブレットは、通常安くても1万円以上で「ファイア」は端末単体の販売では赤字だとみられる。採算を度外視し端末を先に普及させ、端末を通じてコンテンツなどの販売で回収しようというわけだ。端末の購入者は総額120万円以上に相当する様々なソフトを無料で利用できるという。

 ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は「格安タブレットに期待する性能の基準をアマゾンが引き上げた」と胸を張る。タブレット市場全体は昨秋から縮小基調が続いており、アマゾンに引きずられて他社も値下げを強いられることになりそうだ。

 アップルはこの流れに巻き込まれないよう、法人向けタブレット端末を開発。ブランド力を生かし、逆に単価を上げる方向に動く。IBMやシスコシステムズなど法人営業に強い米IT(情報技術)大手と提携し、ソフトや営業網の整備を急ぐ。

 アマゾンは端末事業では電子書籍端末で市場開拓に成功した。その後、スマートフォン(スマホ)、テレビ向けコンテンツ配信端末、音声操作端末など様々な端末を相次ぎ開発した。しかし、スマホは独自の機能が利用者には不評で開発を中断。他の端末も期待ほどは売れていない。

 アマゾンは機能性と割安感が売りだが、似た戦略を採る中国勢やベンチャー企業と競合することが多い。その結果、高機能化により差別化を図ろうとするが、簡素で安い製品を求める顧客の需要とずれるという悪循環が続いている。安さを追求した今回の「50ドルタブレット」がこうした現状の打開に結びつくのかに注目が集まる。

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