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フィリピン 消費がけん引 4~6月、3年ぶり7%成長

【ダバオ=佐竹実】アジア新興国でフィリピンの経済成長の力強さが際立っている。同国政府が18日に発表した2016年4~6月期の実質国内総生産(GDP)伸び率は前年同期比7%と、四半期ベースで3年ぶりの高さだった。個人消費が好調で中国(6.7%)やベトナム(5.6%)など周辺国の成長率を上回った。6月末に発足したドゥテルテ政権は地方のインフラ開発を通じた地域間の格差解消を重点政策に掲げており、実現すれば一段の成長加速も期待できる。

今回はドゥテルテ政権になって初のGDP統計の発表だ。大統領の地元のダバオ市で記者会見したペルニア国家経済開発庁長官は「新政権はとても良いスタートを切った。前政権からの強いマクロ経済や財政をさらに強化したい」と述べた。

高成長をけん引するのはGDPの7割を占める個人消費。4~6月期は7.3%増と、前の期を0.3ポイント上回った。GDPの1割相当の年間3兆円規模に膨らんでいる海外の出稼ぎ労働者からの送金に加え、コールセンターなど業務委託産業の発展で所得水準が上がっている。5月9日の大統領選挙に伴った「特需」も消費を押し上げた。

最近ではこの流れが首都マニラ以外にも広がっている。南部ミンダナオ島の最大都市ダバオには米国などのコールセンター大手が進出し、地元の雇用を増やしている。商業施設には、米フォーエバー21やスウェーデンの「ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)」など海外の有名ブランドが相次いで出店している。

フィリピン経済はマニラ首都圏に一極集中しており、地方との格差是正が長年の課題だ。ここ数年、高い経済成長を達成しながら、国民の4分の1が貧困層のままという実態は変わっていない。

ダバオ市長を長く務めたドゥテルテ大統領は「非マニラ」の開発による格差解消を重要政策としている。地方に国内外からの投資を呼び込んで製造業や観光業を活性化させたい考え。ダバオでは比複合企業サンミゲルが大規模な工業団地の造成に乗り出している。

ペルニア長官は18日の記者会見で「大統領が進める治安改善が外資誘致に役立つ。港湾などのインフラを整備すれば、ダバオもマニラに負けない競争力を持った都市になれる」と強調した。

人口1億人のフィリピンは、東南アジアではインドネシア(2億5千万人)に次ぐ人口規模を誇る。国民の平均年齢も23歳と若く、成長余力は大きい。そうした潜在力を解き放ち、今の高成長を持続するには、インフラ整備と外資誘致を着実に進め、全土で均衡のとれた発展を目指していく必要がある。

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