フィリピン政府、マルコス元大統領を埋葬 英雄墓地に
【マニラ=遠藤淳】フィリピン政府は18日、長年独裁政権を敷いたマルコス元大統領の遺体を首都マニラの国立英雄墓地に埋葬した。圧政下での人権侵害や一族の不正蓄財に対する批判は根強く、英雄墓地への埋葬は国を二分する議論となっていた。政府は日時などを事前に明らかにせず、厳戒態勢で短時間のうちに埋葬を終えた。
マルコス氏は1965年に大統領に就任。86年の「ピープルパワー革命」で米国に亡命し、89年に死去した。遺体は防腐処理され、保存されていた。マルコス一族と親しいドゥテルテ大統領は遺体を英雄墓地に埋葬する方針を表明。最高裁が8日、埋葬を認める決定を出した。意表を突かれた形の反対派は埋葬後、各地で抗議活動を行った。