米欧、消費増税先送りに理解 解散で各国の反応
日本経済への見方厳しく

2014/11/19 0:30
保存
共有
印刷
その他

安倍晋三首相が消費増税先送りと衆院の解散・総選挙に踏み切ることを表明したことについて、海外メディアも電子版などで相次いで報じた。増税先送りによる景気浮揚を歓迎する一方、アベノミクスの失敗や財政健全化の遅れを危惧する声が多かった。中韓からは、年内開催を目指していた日中韓外相会談の実施が難しくなったとの指摘も出ている。

安倍首相が決めた消費増税の延期については、歓迎する見方が目立つ。ルー米財務長官は先日、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで「(日本などの景気後退は)米国にとって不要な逆風だ」とし、再増税先送りへの支持を示唆していた。英調査会社キャピタル・エコノミクスのマーク・ウィリアムズ氏は「7~9月期の国内総生産(GDP)の結果を踏まえれば、消費税率引き上げの先送りは不可避だ」と評価する。

「まず自律成長」

背景には、日本経済の現状への厳しい見方がある。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「アベノミクスの失敗」と題する寄稿記事を17日に掲載。その中で「日本はまず自律的成長を取り戻す必要がある」と指摘。増税延期は「全く正しい判断だ」と強調。英紙インディペンデントは、安倍首相の掲げる「3本の矢」が狙いを外し、結果的に財政悪化をもたらしたと分析した。中国の人民日報も再増税先送りは「アベノミクスの失敗を意味している」とした。

もっとも、消費増税の先送りには懸念も聞かれる。ロイター通信は17日配信の記事で「財政健全化に向けて安倍首相が次に打つ手は不透明だ」と紹介。キャピタル・エコノミクスのウィリアムズ氏も「安倍首相はこの2年でまだ大きな成果を出しているわけではなく、選挙後もアベノミクスが成果を出すかを市場は注視する」と話す。

長期の円安懸念

一方、中国や韓国では安倍首相がこのタイミングで総選挙に打って出ることへの警戒感もある。

韓国紙の中央日報は「今回の選挙に勝ち、来年の自民党総裁選で再選されれば(安倍首相は)在任期間が長い首相になれる」と報じた。中国共産党機関紙、人民日報(海外版)も「(安倍首相が)さらに4年の任期を得て、政権基盤を盤石にする狙いがある」と分析した。

韓国政府関係者の間では、自民党が選挙向けに旧日本軍の従軍慰安婦問題や竹島に関して強硬な公約を掲げて保守層にアピールするのではないかとの懸念も浮上している。

また韓国政府は一連の国際会議を契機に始まった日韓関係改善の動きに対する影響を注視している。ある政府関係者は「日程を考えると年内の開催で調整する日中韓外相会談が難しくなるかもしれない」と話す。

自動車産業などで日本と競合する韓国では、一段の円安は相対的なウォン高につながる。KDB大宇証券の洪性国(ホン・ソングク)副社長は「財政改善の遅れは長期的な円安・ウォン高の要因になり韓国経済にとってマイナスだ」としている。

日経電子版が最長2月末まで無料!
初割は1/24締切!無料期間中の解約OK!

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]