ギリシャ議会、1回目投票で大統領選出できず
【アテネ=花房良祐】ギリシャ議会は17日、次期大統領を選出する1回目の投票を実施し、連立与党が擁立した候補のディマス元欧州委員を選出できなかった。定数300のうち、当選に必要な200票を下回る160票にとどまった。155人の議員を抱える連立与党に加え、5人の無所属議員が賛成しただけだった。2回目の投票は23日を予定している。
29日予定の3回目の投票は180票で次期大統領を選出できるため、連立与党は少なくとも25の賛成票を追加で取り付ける必要がある。
1回目の投票では、ギリシャメディアは161~167票を獲得すると予測していたため、首相側の説得工作があまり奏功しなかった結果となった。3回目に向けて票を上積みしていく作戦だったが、3回目の投票での選出も厳しくなったとの見方が浮上している。
サマラス首相は同日の投票後、「あと2回の投票がある。大統領が選出されると期待している。国の厳しい状況は続いており、議員は分かっているはずだ」と話した。投票に先立ち、首相側は「政治的な冒険」を避けて大統領の選出に賛成するよう議員に呼びかける声明を出していた。
パプリアス現大統領は3月に任期満了を迎える。後任を選出できなければ、憲法に従い解散・総選挙となる。世論調査では、欧州連合(EU)などが金融支援の条件で課した緊縮財政に反対する最大野党・急進左派連合が支持率でトップ。金融市場で懸念が広がっている。