米銃製造S&W、16年度5%増収へ 銃規制論で駆け込み需要も

2016/6/18 11:06
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【ニューヨーク=中西豊紀】フロリダ州の銃乱射事件を受け銃規制の議論が活発になるなか、銃製造会社が強気の業績見通しを打ち出した。米スミス・アンド・ウェッソン(S&W)がこのほど発表した2016年度の売上高見通しは前年度比5%増。米国では銃規制の強化論が銃の「駆け込み需要」を生むといわれており、アナリストも投資判断を引き上げた。

S&Wは米銃器大手のひとつで、警察、民生向けの拳銃やライフルを製造している。16日に発表した16年4月期通期決算は売上高が約7億2千万ドル(約750億円)と前の期比31%増えた。ジェームス・デブニー最高経営責任者(CEO)は前期は「強い需要があった」としており、今期も増収傾向が続くとした。

フロリダの事件を受け米国では銃規制の議論が盛んになっている。上院は規制強化の法案を早ければ週明けにも採決にかける方針。民主党はテロリスト予備軍として政府の監視リストに載る人物の購入を禁じる法律の成立を目指す。銃メーカーにとっては逆風のはずだが、銃社会になじんだ米国ではプラスにも働く。

金融会社カウエン・アンド・カンパニーのアナリストは「08年の大統領選で銃規制を掲げたオバマ氏が勝った際は(駆け込みで)銃販売が急増した」と話す。09年のオバマ政権誕生から7年間でS&Wの売上高は2倍に増えた。カウエンは17日、新型銃の投入効果などが見込めるとしてS&Wの格付けを「アウトパフォーム」に引き上げた。

共和党は民主法案に反対の立場だが、大統領選を争うドナルド・トランプ氏が有権者の空気を読んで一定の理解を示すとの見方もある。S&Wは「規制論は業績予想に織り込んでいない」との立場だが、17日に同社の株価は前日比で約8%上昇した。世間の銃保持への反発が強まるなか、市場での高い評価に銃大国の現実が垣間見える。

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