2019年2月17日(日)

世界の難民、昨年5950万人 第2次大戦後で最悪
ミャンマーなど急増

2015/6/18付
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【ジュネーブ=原克彦】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は18日、紛争や迫害で居住地を離れた世界の難民・避難民が2014年に5950万人になったとの報告書を発表した。前年より830万人増え、第2次世界大戦後の最悪を更新した。シリアやイラクのほかミャンマーでも増加が顕著だ。受け入れを迫られる欧州や東南アジアでは各国による締め出しが深刻化している。

国境を越えて移動した難民や、紛争地帯などから国内の他地域へ移った避難民の行き先を地域別にみると、欧州が前年より51%も増えた。シリアからの難民の多くが統計で欧州に分類されるトルコに到着しているほか、ウクライナ東部の戦闘で同国からロシアへと逃れる人が続出したためだ。

アジアは同31%増。以前からアフガニスタンを出る難民が多いのに加え、ミャンマーで迫害を受けたイスラム教少数民族「ロヒンギャ」の難民が増えたことなどを反映した。中東・北アフリカは同19%増、米州も同12%増で、全ての地域で難民や国内避難民が増えた。

難民の受け入れはトルコが159万人で最大だった。2番目以下はパキスタン、レバノン、イラン、エチオピアが続く。豊かな西欧や北米にたどり着くのはごく一部で、国を出た難民の86%は途上国で暮らしている。590万人は1人当たり国内総生産(GDP)が5千ドル(約62万円)に満たない国にいる。

難民の51%は18歳未満の子供だ。UNHCRのグテレス高等弁務官は記者会見で「世界は戦争状態も同然だ」と述べ、特に先進国に難民の受け入れを増やすよう求めた。

一方、雇用不安などを背景に押し寄せる難民を拒否する動きが各地で顕著になっている。6月に入りフランスやオーストリアはイタリアとの国境で中東・北アフリカからの難民の入国を拒否し、イタリアが猛反発する事態に発展している。

東南アジアでは5月下旬、ロヒンギャの難民船がタイなどへの上陸を認められず漂流している問題について関係国が対応を協議したが、具体策は打ち出せなかった。オーストラリアでは同国の当局が、犯罪組織でもある密航の仲介業者に資金を渡し、難民をインドネシアに連れ戻してもらっていたと報じられている。

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