中国・遼寧省、統計数字水増し認める 11~14年の税収
【大連=原島大介】中国で最も景気が悪い遼寧省で、2011~14年に経済統計を水増ししていたことが17日、明らかになった。同日開かれた同省の人民代表大会(省人代、地方議会に相当)で、陳求発省長が認めた。地域経済の成長が鈍化するなか、複数の地域で税収を実際よりも多く見せかけていたという。
陳氏は言及しなかったが、域内総生産(GDP)など他の統計についても捏造(ねつぞう)があったもようだ。中国で地方政府による統計の水増しが明らかになるのは初めてとみられる。
遼寧省は主力産業は鉄鋼などの重工業だが、中国経済の減速によるインフラ需要の低迷を受けて景気が低迷。16年1~9月はGDPがマイナス成長に陥った。地方官僚にとって、省経済の成長は自身の出世に直結する。こうした構造問題がでっち上げが常態化した背景にあるようだ。
中国ではかねて統計の水増し疑惑が指摘されており、今後は他の省でもこうした問題が明らかになる可能性がある。