EU、難民分担で月内合意めざす 22日に臨時理事会

2015/9/17付
保存
共有
印刷
その他

【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は17日、中東などから押し寄せる難民らの受け入れ分担策の前倒し合意を目指す方針を表明した。14日の臨時理事会で合意できなかった分担策について、当初は来月の定例理事会で再協議するとしていたが、22日の再度の臨時理事会で決着するよう各国に要請した。難民流入が止まらず、国境管理を強化する国が相次いでいるためだ。クロアチアなど一部の中・東欧諸国も難民移送で連携を探るなど、加盟国の結束維持が試されている。

「暴力は解決策にならない」。EUで難民政策を担当するアブラモプロス欧州委員は17日、難民受け入れの分担義務化に猛反対するハンガリーを訪ね、記者会見した。

セルビアとの国境で難民らに催涙ガスや高圧放水を浴びせる強硬姿勢をとるハンガリーに対応策の転換を要請。そのうえで難民受け入れ分担への協力を改めて求めた。

シリア人難民ら16万人を各国の人口や経済規模に応じて受け入れる分担策は、欧州委員会が9日に提案した。14日の臨時の内務・法務相理事会で合意を目指したが、ハンガリーなど東欧諸国が強く反発。4万人受け入れの早期実行の合意にとどまり、残る12万人分は宙に浮いた状態だ。

欧州議会は17日、12万人分の受け入れ分担について臨時投票し、賛成多数で欧州委の提案を支持した。これを受けて欧州委は声明を出し、22日に改めて開く臨時理事会で分担案に合意するよう改めて加盟国に要請した。

欧州を目指す難民の流れは17日もなお続いた。15日からセルビアとの国境管理を強めたハンガリーを迂回し、クロアチア入りする難民が急増。同国によると、17日午前時点ですでに6200人を超す難民らが流入した。多くはオーストリアを経由し、難民受け入れに柔軟なドイツやスウェーデンを目指している。

クロアチアのミラノビッチ首相は17日、オーストリアのファイマン首相と会談し、難民らの移送などで連携することで一致。18日にはウィーンでドイツ、フランス、オーストリア、スウェーデンが首脳級会談を開き、今後の対応を協議する。

EUは加盟国の結束の維持に苦慮している。ハンガリーやチェコなど分担策を拒否する東欧諸国を多数決で押し切ることもできたが、議長国のルクセンブルクはEU内の対立激化を避けるため、合意を見送った。中・東欧に支給するEU補助金をカットするという"制裁"案も浮かんだが、これも立ち消えとなった。

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]