2019年2月16日(土)

FIFA資金洗浄疑い、50件超把握 スイス検事総長

2015/6/18付
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【ジュネーブ=原克彦】国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件を捜査しているスイスのラウバー検事総長は17日にベルンで記者会見し、資金洗浄の疑いがある銀行の取引を50件以上把握したことを明らかにした。ブラッター会長を事情聴取する可能性については「除外しない」と述べた。ただ、捜査は「極めて複雑で実に膨大」とし、終了の時期は見通せないと語った。

スイスの司法当局は2018年と22年のワールドカップ(W杯)の招致について、資金洗浄と背任行為の疑いで容疑者を特定せず捜査を始めている。事件について記者会見するのは初めてだ。捜査の展開によってはロシアとカタールに決まっているW杯の開催地変更もあり得るため、スイス当局の動向は世界の注目を集めている。

ラウバー氏は捜査により、資金洗浄や背任行為に関する104件の取引関係を把握したことを公表し、「すべての取引が複数の口座に関わるものだ」と述べた。さらに資金洗浄を防ぐための法的枠組みに基づき、金融機関から53件の疑わしい銀行決済について報告を受けた。一部は捜査で把握していなかった追加情報だった。

当局が事件に関係するすべての人物を聴取する意向を表明した。そのうえで「FIFAの会長や事務局長も除外しない」と強調した。「過去のW杯も捜査の対象にしているのか」との質問に対しては、「詳細については話したくない」と答えた。

押収したデータ量が9テラ(テラは1兆)バイトにのぼると説明しながら捜査の難解さを強調した。こうした情報を分析し、捜査の優先順位を決めるのに役立てる。

スイスの司法当局は5月27日に米国の要請を受けてチューリヒでFIFA関係者らを逮捕し、同日に独自の捜査を声明で明らかにした。その後は6月2日にブラッター会長が辞任すると表明したのを受けて「捜査に影響はない」とする声明を発表しただけだった。

ラウバー氏は記者会見を開いた理由を「公共の利益が(守秘義務より)優先される場合には、公衆に情報を開示できる」と説明。そのうえで「証拠が隠滅されるリスクはもちろんある」と語った。

スイスの金融大手ジュリアス・ベアはFIFAの汚職事件で自社口座が不正に利用されたかを確認するための内部調査に着手した。ロイター通信などが17日に報じた。同社は米司法省の起訴状で、口座が賄賂のやりとりに使われていたと指摘されていた。英国ではバークレイズとスタンダードチャータードも内部調査を進めている。

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