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米利上げ「緩やかに」 16~17年は年4回ペース

【ワシントン=河浪武史】米連邦公開市場委員会(FOMC)が16日公表したメンバーによる政策金利見通しによると、2016~17年の利上げはそれぞれ年4回ずつにとどまる見通しだ。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は先行きの引き締めペースについて「緩やかに進める」と説明し、ゼロ金利解除後も引き締めに慎重に取り組む姿勢を印象づけた。

メンバーによる最新の金利見通し(中央値)は、16年末が1.375%、17年末は2.375%、18年末は3.25%だ。0.25%の利上げが続けば、来年、再来年は年4回ずつ引き締めがある計算になる。

17回連続で利上げして2年で金利を4%強も引き上げた前回(04~06年)の引き締め局面に比べ緩やかだ。それでも利上げが米長期金利の上昇やドル高を招き、金融市場や実体経済の下押し要因になるとの懸念は残る。

金融市場の見方はFOMCよりさらに慎重で、「0.25%の利上げが年2、3回」との声が大勢だ。FOMCメンバーによる物価上昇率の予測はさえないままで、目標の2%に達するまで3年かかると指摘している。成長率予測も16年、17年とも2%台で伸びが鈍く、市場は利上げを急ぐ局面ではないとみる。

「利上げが遅れれば引き締めペースが急になり、かえって景気後退のリスクにつながりかねない」。イエレン議長は、低インフレ・低成長の環境下で利上げに踏み切る理由をそう説明した。実際、雇用環境の改善は進んでおり、FOMCメンバーは16年の失業率が現在の5.0%からさらに低下して完全雇用の状態になると予測する。

「金融政策の正常化」(イエレン議長)に早めに踏み出す理由は、ほかにもある。FRBは量的緩和によって長期国債や住宅ローン担保証券(MBS)などの買い入れが膨らみ、保有資産が約4兆5千億ドル(約540兆円)に達している。

現在は保有する証券や債券が満期を迎えても同額分を再投資することで市場の混乱を抑えており、イエレン議長は16日も「当面は保有し続ける」と述べた。ただ保有期間が長引けば資産に含み損が発生するリスクもあり、「通貨の番人」としての中央銀行の信認に傷がつきかねない。

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