グーグルの書籍電子化、米高裁も認める 米作家協会は上訴へ
【シリコンバレー=小川義也】米グーグルが書籍を電子化してインターネットで公開したのは著作権侵害に当たるとして米作家協会などが訴えていた裁判の控訴審で、ニューヨーク連邦高裁は16日、一審判決を支持し、原告側の主張を退けた。
グーグルは電子化した書籍の公開範囲を一部にとどめており、高裁は公共目的の著作物利用を認めた「フェアユース(公正利用)」の範囲内と認定した。米作家協会は判決を不服として上訴する方針。
グーグルは2004年に図書館の蔵書を電子化し、ネットを通じて検索・閲覧できる「グーグルブックス」を発表。米作家協会と米出版社協会(AAP)はグーグルが著作権者の承諾を得ずに電子化を始めたことを問題視。05年に相次いでグーグルを提訴した。
09年3月に3者間で和解が事実上成立したが、裁判所が和解案を認めずに頓挫。その後、グーグルとAAPは12年に和解していた。
グーグルは声明で「グーグルブックスは利用者が買って読んでみたい本を簡単に探せる手段であり、著作権者にも恩恵をもたらしている」と強調。同サービスが「デジタル時代のカード目録の役割を果たしていることを、裁判所が認めたことに満足している」と述べた。