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トルコ首相「反乱制圧」 将校ら2800人拘束、260人死亡

(更新)

【イスタンブール=シナン・タウシャン】トルコで軍の一部勢力が15日夜(日本時間16日未明)から16日にかけてクーデターを試み、最大都市イスタンブールや首都アンカラの主要道路や国営テレビ局を一時占拠した。クーデター勢力と治安部隊の交戦で、市民を含め260人以上が死亡した。ユルドゥルム首相は16日の記者会見で「反乱は鎮圧された」と宣言。関係した将校ら2839人を拘束したと明かした。

エルドアン大統領は長期にわたり強い権限を握り、軍の弱体化を進めてきた。今回の反乱はその反発とみられる。事前に察知できなかった政権の打撃は大きい。トルコが内政問題に追われることになれば、隣国シリアの和平問題や、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦にも影響が及ぶ可能性がある。

首謀者は明らかではないが、現地メディアによると、空軍の司令官級が関与したとの情報もある。

クーデター勢力はイスタンブールのボスポラス海峡にかかる2本のつり橋を封鎖した。アンカラで軍トップの参謀総長を一時人質にとり、国会議事堂をヘリコプターで空爆した。国営テレビを占拠し「国の権力を完全に掌握した」と宣言。戒厳令と外出禁止令を出した。

地中海沿岸の保養地で休暇中だったエルドアン大統領の不在を狙った。エルドアン氏はスマートフォンの動画付き通話機能を使い、地元テレビ番組を通じて国民に街頭や空港に向かい軍事クーデターに抵抗するよう呼び掛け、多数の市民が呼応した。

クーデター勢力は街頭に出ていた市民に向け発砲したとの報道もある。ユルドゥルム首相によると市民や警察官ら161人が犠牲となった。負傷者は1400人以上に上ったもようだ。軍の暫定参謀総長はクーデター勢力の104人を殺害し、市民の犠牲者は47人と明らかにした。

ロイター通信によると、当局はクーデターを企てた疑いで司法関係者10人を逮捕。さらに140人を捜索中と報じた。

イスタンブールのアタチュルク国際空港に着いたエルドアン氏は「(首謀者は)重い代償を支払う」と述べた。休暇先で自身を暗殺する企てがあったことも示唆した。

アンカラでは軍の戦闘機がクーデター勢力側のヘリコプターを撃墜した。クーデターが失敗に終わる可能性が高まり、ギリシャ北部には16日、亡命を求める兵士8人の乗ったヘリコプターが着陸した。トルコ外務省は8人を送還するようギリシャに求めている。

空港閉鎖によりトルコ発着の便は大幅に混乱をきたしたが、トルコ航空は16日午後にイスタンブールの定期便発着を再開すると表明した。停止していたボスポラス海峡の海上交通も再開した。イスタンブール市内では街頭に出ていた市民らが引き揚げ、日常生活を取り戻しつつあるという。国会も同日招集され、今後の対応の議論が始まった。

政府内では事件をエルドアン氏の政敵である米国在住のイスラム教指導者、ギュレン師に近い軍幹部の仕業とする見方が出ている。ギュレン師はクーデターを非難し、関与を否定している。

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