2019年1月16日(水)

中国、新秩序へ足がかり アジア投資銀が開業

2016/1/16 22:23
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【北京=大越匡洋】中国を最大の出資国とするアジアインフラ投資銀行(AIIB)が16日、正式に開業した。習近平国家主席が創設を提唱してからわずか2年余りで実現にこぎつけ、中国は米国と並ぶ大国を目指してアジアの新たな秩序づくりへ一歩を踏み出した。インフラ投資という実利をテコに求心力を高め、加盟国も当初の57カ国から一段の拡大をめざす。

アジ投資銀行の開業式典で、あいさつを終えた金立群初代総裁(16日、北京の釣魚台迎賓館)=共同

アジ投資銀行の開業式典で、あいさつを終えた金立群初代総裁(16日、北京の釣魚台迎賓館)=共同

「志さえあれば、最後には成功する」。16日午前、北京の釣魚台迎賓館での開業式典に出席した習氏は、誇らしげに語った。習氏が2013年10月に創設を提唱したAIIBは、15年12月にアジアや欧州など57カ国を創設メンバーとして発足。今回の初めての総会と理事会で正式に船出した。

習氏は、中国が資本金1千億ドル(約11兆7千億円)のうち3割を負担するのとは別に「特別基金」として5千万ドルを拠出する方針を表明した。

米国、日本は参加を見送り、AIIBの透明性を巡る国際社会の疑念は残る。北京に本部を置き、初代総裁には金立群・元中国財政次官が就いた。開業式典も「中国政府が完全に仕切った」(AIIB関係者)。「覇権」への意欲を露骨にしては米国の強い反発を招くため、中国側は融和ムードの演出に力を入れた。

開業の直前、中国は欧州復興開発銀行(EBRD)へ正式加盟したと発表。16日の式典でも会場では世界銀行のジム・ヨン・キム総裁、アジア開発銀行(ADB)の中尾武彦総裁らが祝意を述べる動画が流された。今年半ばの実施をめざす第1号融資でも世銀やADBとの協調を検討する。

AIIBには約30カ国が追加加盟を希望しているという。習氏は「AIIB開業は世界経済の統治システムの改革・改善にとり重大な意義がある」と自信をのぞかせた。

関係筋によると、すでにインドネシアなどがAIIBからの借り入れに前向きな意向を示している。日本が主導するADBとの競争が本格化するだけでなく、米中が太平洋を挟んでアジア経済の主導権を争う構図も一段と際立つことになる。

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