米長官「南シナ海問題に懸念」 中国外相「領有権持つ」

【北京=島田学】中国を訪問しているケリー米国務長官は16日、北京で中国の王毅外相と会談した。中国がフィリピンなどと領有権を争う南シナ海で岩礁などの埋め立てを進めている問題に懸念を表明し、「緊張緩和に向けた措置」を取るよう促した。王氏は、中国が南シナ海のほぼ全域の領有権を持つとの主張を繰り返し、議論の応酬となった。
ケリー氏は会談後、王氏とともに記者会見に臨み、2014年になって中国による埋め立てが活発になったことについて「(埋め立ての)速度を懸念している」と強調し、自制を促した。
王氏は「中国の主権は断固守る。これは中国国民の要求だ」と反論。領有権を争うフィリピンやベトナムなど「直接の当事国との協議を通じた解決を目指している」とし、米国が問題に介入しないようけん制した。