トルコ大統領に軍不満 強権・テロ対策に批判的

2016/7/16 12:49
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【イスタンブール=シナン・タウシャン】トルコで15日夜(日本時間16日未明)、軍の一部が最大都市イスタンブールや首都アンカラでクーデターを企てた。背景にはエルドアン大統領が進めてきた軍の弱体化や強権的な統治手法に対する軍の不満があったとみられる。

ボスポラス海峡の橋を封鎖する軍の兵士(15日、イスタンブール)=ロイター

ボスポラス海峡の橋を封鎖する軍の兵士(15日、イスタンブール)=ロイター

軍は国是の世俗主義の守護者を任じ、過去にもクーデターやその時々の政権に退陣を迫るなど政治介入を繰り返してきた。1980年には軍が国内の混乱を受け、クーデターで政権を掌握。未遂は度々起きている。

「基本的権利と自由を妨げ、民主的な法の支配、権力分立、世俗主義の侵害は国家への反逆だ」。軍統合参謀本部のホームページに掲載された声明には個人への権力集中を進めるエルドアン氏への強い不満がにじむ。

国政の実権を握るエルドアン氏はイスラム系与党・公正発展党(AKP)の創設者で2003年に首相に就任し、14年に大統領に転じた。欧州連合(EU)の外圧を利用しながら、軍の権限縮小を進め、意に沿わない幹部らを追放してきた。

テロ対策をめぐっても軍の一部に不満があったもようだ。シリア内戦では反体制派に肩入れし、シリアに向かう過激派の外国人戦闘員のトルコ通過に対する取り締まりが不十分であったと批判された。

トルコは昨年から、「イスラム国」(IS)や少数民族クルド人の非合法武装組織、クルド労働者党(PKK)によるテロの標的とされてきた。6月末にはイスタンブールの国際空港でISによるとみられる自爆テロが起き、外国人を含む40人以上が犠牲になった。軍が掃討作戦を続けるPKKは報復テロを繰り返し、軍や警察の犠牲者は過去1年で500人以上に達したもようだ。

ホームページに掲載された声明には「あらゆるテロとの効率的な戦いに道を開く」との記述もみられた。エルドアン氏のクルド人武装組織への強硬路線が、かえってテロを誘発しているとの不満が軍の一部ではくすぶっていた。

閣僚の一部はエルドアン氏のかつての盟友でその後、敵対した米国在住のイスラム教指導者が率いる「ギュレン運動」の関与を指摘している。同運動は軍や警察に多数の支持者を送り込んできたが、政府はテロ組織に指定し関係者の排除を進めている。ギュレン運動側は関与を否定している。

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