スコットランド、独立か英残留か 18日に住民投票

2014/9/17付
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【ロンドン=小滝麻理子】英北部スコットランドで18日、英国からの独立の是非を問う住民投票が実施される。直前の世論調査では賛否が拮抗しており、賛成が過半数を占めれば2016年3月にも英国から離脱して独立国となる。英政府は引き留めに懸命だが、300年を超える「連合王国」(英国)の行方は予断を許さない情勢だ。

「独立は痛ましい離婚だ」。キャメロン英首相は15日、スコットランド北東部の石油都市アバディーンで投票前最後の演説に立ち、有権者に英国への残留を訴えた。

首相は独立すれば通貨も年金制度も英国とは別になると強調した。「独立を選べば永遠に英国には戻れない。連合王国を救うために投票してほしい」と声を詰まらせる場面もあった。

投票前の最後の週末となった13~14日に発表された各種の世論調査では独立への賛否は拮抗している。接戦がほぼ確実視されており、独立の行方は浮動票が握っている状況だ。

スコットランドの独立が現実になれば、人口の8%強、国土の3割強が英国から離脱する。英国の政治・経済に重大な影響が及ぶだけでなく、世界各地の独立運動に余波が広がるとみられる。

英紙デーリー・テレグラフによると、エリザベス英女王は14日、夏に滞在するスコットランドのバルモラル城近くの教会で日曜礼拝に出席した後、「(スコットランド)住民が将来のことを慎重に考えるよう願っている」と述べた。女王が政治的な問題に言及するのは極めて異例だ。

今回の住民投票は12年に、キャメロン首相とスコットランド行政府のサモンド首相が合法的に実施することで合意した。英政府は投票結果を尊重する方針だ。賛成票が過半数になれば、スコットランド側は10月から英政府と独立に向けた具体的な交渉を始め、16年3月に独立国になる計画だ。サモンド首相は「生涯に一度の機会」と呼びかけている。

焦点になるのは通貨・経済問題だ。英政府はスコットランドが独立した場合、英通貨ポンドの使用を認めない方針だ。英政府は課税権や社会保障制度などについて、これまで以上の権限移譲を進めるとして引き留めに努めている。

外国為替市場ではすでに、スコットランドの独立を警戒してポンドが対ドルで下落傾向にある。スコットランドを拠点とする大手銀行が、独立が決まった場合はスコットランドの外へ本社登記を移すと発表するなど、産業界でも独立に備えた動きが加速している。

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