安倍首相、オバマ氏「核先制不使用」に反対意向伝達 米紙報道
【ワシントン=川合智之】15日付の米紙ワシントン・ポストは、オバマ米大統領が核兵器を最初に使わない先制不使用宣言を検討していることについて、安倍晋三首相がハリス米太平洋軍司令官に反対の意向を伝えたと報じた。北朝鮮などへの抑止力が低下し、紛争リスクが高まる懸念があると伝達したとしている。
米政府関係者の話として報じた。オバマ氏は広島訪問で改めて発信した「核兵器なき世界」の段階的実現に向け、核攻撃への反撃を除いて核兵器を使わない政策を検討している。核実験を禁止する国連安全保障理事会決議を採択する構想もあるという。
ただ、先制不使用宣言は核抑止力に影響を与えるとして日本や韓国、英国、フランスなどの同盟国が反対しているほか、閣僚や外交官など政府内からも慎重論が出ているという。このため実現は不透明な情勢だ。