EU緊急首脳会義を要請 難民問題で独首相ら

2015/9/16付
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【ブリュッセル=森本学、ベルリン=赤川省吾】欧州連合(EU)は来週にも緊急の首脳会議を開く方向で検討に入った。14日のEU内務・法務相理事会では、欧州に押し寄せる難民の受け入れの分担策を巡ってEU内の対立が解けず、合意を持ち越したためだ。難民の流入急増に直面するドイツのメルケル首相が15日、オーストリアのファイマン首相とベルリンで会談し、緊急首脳会議の開催要求で一致した。

メルケル首相は会談後の記者会見で「難民の移動ルートにある国をどう支援するのか協議するため、EUのトゥスク大統領に首脳会議の開催を要請した」と明かした。ロイター通信によると、トゥスク大統領は緊急首脳会議を開くかどうか17日に決めると述べた。

14日の内務・法相理事会では、欧州に流入する難民のうち16万人を加盟国が分担して引き受け、自国内に定住させるという欧州委員会の提案を巡って協議した。人口や経済力などに応じて引き受ける人数を各国に義務付け、ギリシャやイタリア、ハンガリーに集中する難民受け入れの負担を分担するのが狙いだった。

これに中・東欧などが激しく反発した。シリアやイラクの情勢が出口の見えない状態で、難民受け入れに寛容な姿勢をみせれば、流入ペースが加速するとの不安からだ。難民が欧州社会に溶け込めず、テロリストの温床になりかねないとの見方も根強い。

結局、理事会は7時間足らずの議論で散会。6月の首脳会議で合意済みだった4万人の難民の受け入れ分担を早急に実行することを正式決定しただけで、残る12万人の分担については結論を持ち越した。デメジエール独内相は「いくつかの国は責任感がない」と批判した。緊急の首脳会議では、改めてEUの結束を探る見通しだ。

国際移住機関(IOM)は15日、EUの合意持ち越しを受けて、地中海を渡る難民や移民の死者がいっそう増える懸念があると指摘。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も「深い失望の念」を示した。

EUが理事会で新たな合意に達することができなかったのは、難民をだれが引き受けるのか、流入ペースをどう抑えるのかという2点で妙案がなかったためだ。難民対策は限界に近づいている。

EUには最初に到着した国で難民申請をする「ダブリン規則」という仕組みがあるが、今や破綻状態にある。EUによると、2015年1~3月に人口100万人あたりの難民申請はEU平均で365人。しかしハンガリーでは20倍の7245人に達した。欧州の外周部の国に負担を強いた結果、難民を持て余した格好だ。

15年の欧州の難民申請は前年の3倍超の200万人に迫る勢いだ。中・東欧ではむしろ「難民拒否」が国民の拍手喝采を浴びる。ハンガリーは国境警備に軍隊も投入。15日からは、国境沿いに設けた有刺鉄線のフェンスを許可なく越えた難民を逮捕できるようにした。

ハンガリーのメディアによると、同国政府は15日、不法に越境したシリア人の難民ら16人を拘束した。ドイツは国境検問を再開したが、流入抑制の抜本策とはいえない。

結論先送りで、ギリシャやイタリアなどの一時収容施設で暮らす難民の身分は宙に浮いた状態だ。冬到来を前に、なお路上や駅舎などで過ごす難民も少なくない。オーストリア紙によると、バルカン半島にはEUを目指す難民らがなお20万人いる。だれが彼らを引き受けるのか。欧州は今、既存の難民認定制度を含む難民政策を根底から見直す必要に迫られている。

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