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台湾・民進党、総統選候補に蔡英文主席を選出

【台北=山下和成】台湾の最大野党・民進党は15日、蔡英文主席(58)を2016年1月の台湾総統選挙の党公認候補に正式決定した。8年ぶりの政権奪回を目指す。台湾では与党・国民党の馬英九総統が進めてきた対中融和政策への警戒感が高まり、台湾独立を志向する民進党には追い風が吹く。一方で台湾住民は中国との安定的な関係も望んでおり、蔡氏がこうした意向にも配慮した対中政策を打ち出せるかが焦点となる。

蔡氏は2月からの党内の予備選に唯一、立候補していた。12年の前回の総統選では現職の馬氏に敗北し、今回は再チャレンジとなる。台湾初の女性総統が誕生するかも注目される。

蔡氏は15日に台北市内の党本部で開いた記者会見で、経済成長の鈍化などを受けて「台湾人は自信を喪失し、若者は希望を失っている」と強調した。今後の経済成長の成果は「必ず公平に分配されるべきだ」と語り社会的弱者への目配りをアピールした。

対中政策については「両岸(中台)の現状維持が原則だ」と表明。8年ぶりの政権交代を実現しても、急進的な独立姿勢を取らずに安定的な中台関係を目指すことを示した。民進党は00~08年の陳水扁政権では中国との対立が続いた経緯がある。

蔡氏は12年の総統選での敗北後、後援組織やブレーン集団づくりを地道に進めてきた。14年11月の統一地方選で与党・国民党に圧勝した手腕で人気が高まり、党内予備選でも他の有力者は出馬を辞退していた。

対抗馬となる国民党の候補者選びは混沌としている。エース格の朱立倫主席(53)は「16年の総統選には出馬しない」と語ったが待望論が根強い。呉敦義・副総統(67)や王金平・立法院長(国会議長、74)の出馬も噂される。党公認候補は6月17日に選出予定だ。

台湾では08年に発足した馬政権が経済を軸にした対中融和政策を推進。これに対し、若者を中心に「中国に取り込まれる」などとの警戒感が強まり、昨年11月の統一地方選での国民党大敗を招いた。次期総統選に関する各種の世論調査でも、現時点では蔡氏が国民党の想定候補をリードする。

今後の注目点は蔡氏が打ち出す対中政策の具体的な中身だ。国民党は中台双方が「1つの中国」という原則で一致したとされる「92年コンセンサス」を対中交流の基礎とする。民進党はこのコンセンサスを認めておらず、中国との摩擦を招きやすい状況にある。

民進党が政権を奪回した場合、「中国との安定的な関係が壊れるのでは」との懸念は根強く、12年の総統選での蔡氏の敗北の要因にもつながった。蔡氏が中台双方が妥協できる理念を打ち出せるかで、総統選の結果は大きく変わりそうだ。

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