2019年6月18日(火)

スイスフラン、無制限介入終了 マイナス金利拡大

2015/1/15付
保存
共有
印刷
その他

【ジュネーブ=原克彦】スイス国立銀行(中央銀行)は15日、スイスフランの対ユーロでの上昇を抑えるために導入していた外国為替市場での「無制限介入」を終了すると発表した。一方、22日に開始するマイナス金利は、金融機関から徴収する手数料を当初予定の年0.25%から年0.75%へと変更し、引き続き物価上昇率の引き上げを狙う。

決定に伴い、政策金利の幅はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)3カ月物で「マイナス1.25%からマイナス0.25%」へと引き下げた。2014年12月にマイナス金利の導入を発表した際には「マイナス0.75%からプラス0.25%」としていた。

外国為替市場では一時、スイスフランが1ユーロ=0.86スイスフラン台に急騰した。その後は1ユーロ=1.04~1.05スイスフラン程度と前日より1割以上、高い水準で推移している。スイス中銀が市場の圧力に屈したとの見方が広がれば一段のスイスフラン買いが進み、マイナス金利の効果が相殺される可能性もある。

スイス中銀は11年9月にスイスフランの上限を1ユーロ=1.20スイスフランと決め、順次、為替市場で巨額の介入を実行してきた。声明では「この例外的で暫定的な政策はスイス経済を深刻な被害から守った」と強調した。ただ、ユーロとスイスフランが米ドルに対して下落し、国内産業への脅威も後退したと説明。「対ユーロでの上限レートの設定は正当化されなくなった」としている。

スイスは永世中立国であることに加え、国民1人当たりで計算した金の保有量が世界で最高水準に達することもあり、投資家がリスクを回避する際の「安全資産」として買われやすい。特に欧州債務危機でユーロ売り・スイスフラン買いが加速し、通貨の上昇を抑えることがスイス中銀の重要課題になっていた。

14年11月ごろからはユーロ圏でデフレ懸念が高まり、欧州中央銀行(ECB)が量的緩和に踏み切るとの観測がスイスフラン買いの材料になっていた。原油安を受けた新興国通貨の下落もスイスフランには上昇圧力となり、スイス中銀がマイナス金利の導入を決める要因となった。

スイスは財とサービスの輸出が国内総生産(GDP)の5割を超え、経済が通貨変動の影響を受けやすい。消費者物価指数は12~13年に2年連続でマイナスとなり、14年も横ばいにとどまった。賃金が上昇しているため「デフレスパイラル」には陥っていないが、堅調な経済は正念場を迎えている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報