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EU首脳会議、難民対策を協議 協力具体化要請へ

(更新)

【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は15日、ブリュッセルで首脳会議を開いた。欧州に多数の難民らが押し寄せる難民危機への対応を協議。9月に開いた臨時の首脳会議では難民対策の強化へ、加盟国が資金や人員を出し合う方針で一致したが、必要な資金や人員の確保のメドが立っていない。EUは首脳会議で協力の具体化を急ぐよう加盟国に改めて要請する方針だ。

「全然足りない」――。欧州委員会のティメルマンス第一副委員長は14日の記者会見で、難民対策への加盟国の協力が足りないと批判。首脳会議で加盟国の指導者らが難民危機への対応を強化するために「具体的な行動」を示すよう求めた。

EU首脳は9月に開いた非公式会合で、難民支援を強化するため、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)など国際機関へ少なくとも10億ユーロ(約1350億円)を追加支援することで一致。そのうち約半分はEU予算で、残りは加盟国28カ国からの資金協力で賄うことになっている。

欧州委によると、これまで資金協力の申請があったのは10カ国で、金額も合計で約2億7500万ユーロと半分程度にとどまる。8割超が英国とドイツの拠出で偏りが目立つ。シリア難民を受け入れているEU域外国を支援する基金も、欧州委は加盟国に5億ユーロの協力を求めているが、資金確保のメドが立ったのはまだ計800万ユーロだけだ。

EUは国境管理の強化や難民申請施設の拡充などへの対応で、加盟国に人員約1千人を追加拠出することも求めている。しかし具体的な協力を得られたのは12カ国から130人程度にとどまる。

首脳会議の声明案では加盟国に対し、「さらなる貢献を求める」と明記。難民の流入を抑えるため、国際機関やシリア難民らを受け入れているシリア周辺国などへの具体的な協力を急ぐ姿勢で一致を目指す。

首脳会議では不法移民らの流入拡大に歯止めを掛けるためEU域外との国境管理強化も協議する。声明では加盟国の国境管理を支援する欧州対外国境管理協力機関(FRONTEX)の「権限を拡大する」ことも明記。欧州委が創設を検討中のEUレベルで国境警備にあたる「欧州国境・沿岸警備隊」についても話し合う。

EU首脳らは難民を生む根本原因となっているシリアやリビアの情勢についても意見交換する。シリアについては内戦終結に向けて国連と密接に連携する姿勢を確認する。声明案では「現指導部の下では永続的な平和はありえない」と明記。多数のシリア難民を生んでいる主因はアサド政権にあるとの見方を示している。

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