2018年11月19日(月)

トランプ外交始動 ロシアと関係改善一致
NATOとも同盟維持

2016/11/16 2:00
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【ワシントン=吉野直也】ドナルド・トランプ米次期大統領の外交が本格化してきた。13日に中国の習近平国家主席、14日はロシアのプーチン大統領と電話協議し、協調への意欲を伝えた。オバマ政権が南シナ海問題などで対立してきた中国、ウクライナへの軍事介入を契機に悪化したロシアとの関係改善にまず踏み出した。三大国の関係の変化は国際秩序を一変させかねず、世界は固唾を飲んで見守る。

世界が特に注視するのは対ロ関係だ。2014年のロシアによるウクライナ介入後、米主導で主要7カ国(G7)が経済制裁を発動。ロシア政府の関与が疑われる、米政府や企業への大規模なサイバー攻撃も相次ぎ、両国関係は険悪になった。

トランプ氏は大統領選中、プーチン氏を「強いリーダー」と称賛してきた。ロシア大統領府によると、プーチン氏はトランプ氏に「対等、相互尊重、内政不干渉の原則に基づき、協力相手として対話したい」と伝えた。1989年の冷戦終結以降、最悪の状態の米ロ関係について「国際テロ対策を含む幅広い分野で協力を広げ、関係を改善する」と申し合わせた。

米ロの関係悪化は中東にも飛び火した。シリア内戦でロシアが支援するアサド政権の退陣を巡り対立し、米ロが主導した2度の停戦合意も崩壊した。トランプ氏は内戦を複雑にした過激派組織「イスラム国」(IS)掃討を優先する立場で、電話協議でもIS対策を話し合った可能性がある。

米国がロシアとの融和へ転じるとは言い切れない。オバマ大統領は14日の記者会見で、10日に初会談したトランプ氏が「北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国との同盟関係の維持に強い意欲を示した」と明かした。

トランプ氏は日韓両国などと同様に、NATO加盟国が「十分な対価を払っていない」と批判し、関係の見直しも示唆していた。NATOの本質は欧米の対ロ共同防衛組織であり、その重要性に目を向けた。

トランプ氏は13日の習氏との電話協議で米中関係の強化を確認した。「米国第一」を掲げるトランプ政権が発足すれば、オバマ政権下のアジア回帰戦略が見直されるとの期待が中国にはある。アジアに「力の空白」が生じれば、南シナ海や東シナ海での海洋進出が容易になるとの読みがある。

一方、安価な中国製品が米国の雇用を奪っており、中国を「為替操作国」に指定して輸入品に高関税をかけるとするトランプ氏の主張には身構える。習氏はトランプ氏への祝電に「衝突や対抗をせず、相違点を建設的な方法で管理して関係を進展させたい」と記した。

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