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トルコリラが最安値更新 対ドル、政策への懸念反映

【イスタンブール=佐野彰洋】トルコリラが対ドルで史上最安値の更新を続けている。15日は1ドル=2.7リラを突破、年初からの下落率は約13%に達する。米国の利上げが迫り、新興国通貨は下落基調が続いているが、リラの下げ幅は一段と大きい。6月7日に総選挙が迫り、経済・金融政策に対する懸念が相場に映し出されている。

14日、トルコ中央銀行は22日の金融政策決定会合を控え、異例となる議題公表で民間銀行に対する外貨調達と、リラ建て貸し出しコストの引き下げを支援する方針を打ち出した。一種の口先介入策でリラはいったん小幅な上昇に転じたが、効果は半日も続かなかった。

米連邦準備理事会(FRB)の利上げが近づき、金利差縮小の思惑から新興国通貨全般が売られる展開が続いている。

トルコは、インドネシアやブラジル、南アフリカなどと並び、経常赤字や高インフレに悩む。リラの年初来対ドル下落率は約13%と汚職問題と低成長に苦しむブラジルレアルに匹敵する高水準となっている。

「ドル高」だけでは説明できないリラ売りの最大の原因が、6月7日に迫った総選挙だ。

「新たに政界入りする同僚に道を開くことも必要だ」。総選挙後の組閣見通しを語った9日のダウトオール首相のテレビインタビューは市場関係者に波紋を広げた。与党・公正発展党(AKP)の政権維持が見込まれる中、市場の信認が厚いババジャン副首相の退任を示唆したと受け止められたからだ。

同副首相は財政規律を重視し、増税による内需引き締めなどの不人気政策遂行もいとわないことで知られる。露骨な利下げ圧力にさらされる中央銀行総裁とも緊密に連携してきたが、4選を禁じる与党の内規に従い、総選挙には出馬しない。

経済運営の先行きが不透明感を抱える中、海外投資家は重要な判断を先送りする「様子見モード」にある。過去のリラ安局面で「ドル売りリラ買い」に動いた国内個人投資家も相場の底はまだ先とみて動かない。逆に国内企業は短期のドル建て債務返済のためリラの売り手となっている。ブルガン証券シニア・エコノミストのアスル・サブラノール氏は年末の相場見通しについて「経済チームの顔ぶれが議論を呼ぶ陣容であれば、2.9~3.0リラもありうる」とみる。

実体経済の減速も足を引っ張る。2014年の実質国内総生産(GDP)成長率は内需不振で2.9%にとどまった。失業率など主要経済指標は過去5年前後で最悪の水準だ。国際通貨基金(IMF)は14日、トルコの15年の成長率予測を3.4%から3.1%に引き下げた。

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