2019年1月17日(木)

カンボジア与党、野党攻撃強める ナンバー2らの逮捕画策

2016/6/15 22:46
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【プノンペン=富山篤】カンボジアの与党人民党(CPP)が野党救国党(CNRP)への攻撃を強めている。2度にわたる野党党首、サム・ランシー氏に対する逮捕状に加え、ナンバー2のケム・ソカ副党首も不倫疑惑に絡めて逮捕しようと画策しているもようだ。次期総選挙を2018年に控え、野党を弱体化させる思惑が透ける。在任31年を迎えたフン・セン首相の危機感もにじむ。

14日、プノンペン中心部のCNRP党本部。数百人の支持者が建物を取り囲み、大量のコメ、水などが運び込まれている。逮捕を恐れるケム・ソカ氏は5月26日からずっと泊まり込んでおり、外出はしない。少し離れた通りではライフルで武装した警察が「渋滞対策」として待機している。

党広報のイム・ソバン議員は「CPPはCNRPを弱体化させ、分離させようとしている。これではまともな政治活動ができない」と憤る。

与党による野党攻撃は今回始まったことではない。15年11月、サム・ランシー党首に逮捕状が出た。罪状は08年にホー・ナムホン副首相に関して「ポル・ポト派の収容所に関与した」とのデマを広めた名誉毀損。13年7月に恩赦が出た過去の事件が突然蒸し返された格好で、サム・ランシー氏は議員資格と不逮捕特権を失った。同氏は現在も二重国籍を持つフランスに滞在したまま。今年1月には裁判所への出頭拒否を理由に2度目の逮捕状が出て、帰国すれば即逮捕の状況だ。

党首不在のなか、事実上の党首として活躍していたのがナンバー2のケム・ソカ氏だった。今年2月、交流サイトにケム・ソカ氏とプノンペンの理髪店に勤める女性(24)の通話を録音した音声44本が投稿された。

4月下旬、女性が録音の声は自分と認め、ケム・ソカ氏との関係も詳細に語った。同氏は裁判所の出廷命令に応じず、与党は逮捕に踏み切ろうとしているもようだ。

カンボジアは18年に総選挙を控える。13年の前回選挙では与党が辛うじて過半数を確保したが、野党は議席を2倍近くに増やした。貧困層を中心に野党人気は高まる。

ケム・ソカ氏が逮捕となれば求心力は落ち、CNRPは分裂する可能性もある。ただ、強引な逮捕に踏み切れば経済制裁など国際社会の圧力も予想される。

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