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アジア投資銀、創設メンバー57カ国に

【北京=大越匡洋】中国が主導して設立するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーが15日、57カ国となることが決まった。中国財政省が発表した。欧州から英国、ドイツ、フランスなど20カ国前後が参加する。先進国から新興国まで幅広い支持を受ける本格的な国際機関としての体裁を整えた。日本、米国が参加を見送るなか、組織運営などの透明性の確保が課題となる。

AIIBは3月末に創設メンバーとなるための申請を締め切り、すでに参加を決めた国による承認手続きを進めていた。中国財政省は15日、南アフリカやアゼルバイジャンなどが創設メンバーとして認められたと発表した。創設メンバーは6月末にも出資比率などを定めた設立協定を結び、年内の運営開始をめざす。

日米が最大の出資者として運営するアジア開発銀行(ADB)のメンバーは67カ国・地域で、AIIBも数のうえでは遜色ない陣容を整えた。

東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国やインド、ブラジルなどの主要な新興国に加え、サウジアラビア、トルコなど中東諸国も参加した。主要7カ国(G7)のうち英独仏とイタリアが入ったほか、韓国、オーストラリアといった米国の同盟国も名を連ねている。

AIIBはアジアのインフラ整備の支援を目的としている。本部を北京に置き、初代総裁には金立群・元中国財政次官が就く見通しだ。資本金は当初500億ドル(約6兆円)、最終的に1千億ドルとする。75%程度をアジア域内、残りを欧州など域外に割り当て、経済規模に応じて個別の出資比率を決める方向だ。

中国が最大の出資者として大きな影響力を確保する。日米が組織運営の中立性や透明性の高い融資基準を求めているのに対し、中国側は「西側のルールが最善とは限らない」(楼継偉財政相)と主張している。支援を受ける側のアジア諸国も既存の国際機関に比べて融資に関して柔軟な意思決定を期待している。

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