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世銀報告書「米利上げ、世界に悪影響」 FRBけん制

【ワシントン=矢沢俊樹】世界銀行は15日、米国が利上げに踏み切った場合に「世界経済の成長と金融市場安定に深刻な悪影響を及ぼす」恐れがあるとする政策分析の報告書をまとめた。米長期金利上昇に伴う新興国への資本流入急減などが、通貨危機の引き金になりかねないと主張。利上げ先送りを求める姿勢を強くにじませた。

米連邦準備理事会(FRB)が16日から米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する前に、利上げの動きをけん制した格好だ。報告書は、FRBが海外市場への波及も考慮し慎重に利上げのペースを調節する構えだと指摘した。同時に、米利上げで金融市場の変動が大きくなって「新興・途上国への資本流入が急激に落ち込む可能性がある」との懸念を示した。

2008年の世界金融危機以降でみると、15年の新興国全体の経済成長は最低の水準に落ち込んでいると指摘した。中国経済への不安に伴う市場の混乱や貿易低迷、資源価格下落といった懸念材料が重なる現状で米国が利上げを実施し、(世界から)資金を集めることになれば、新興国が「重大な政策上の試練にさらされる」と警告した。

原油価格の下落で原油輸出国の多くは海外とのモノ・サービスなどの総合的な取引状況を示す経常収支の悪化が続いている。一部の新興国の企業部門ではドル建てを自国通貨に換算した債務が「著しく増えた」状況にあり、米利上げとさらなるドル高が起きれば債務返済が難しくなる恐れがあるとの見方を示した。

13年春に量的緩和の出口論が浮上し金融市場が混乱した当時より、新興国の対外収支は総じて改善している。それでも経済の脆弱な市場では利上げに伴う米金利上昇やドル高によって、過去にもたびたび発生した通貨危機と似たような混乱に見舞われる可能性があるという懸念を示している。

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