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反ドーピング機関にサイバー攻撃、ロシア政府の影

【キエフ=古川英治】ロシアのスポーツ界を巡るドーピング問題が外交問題に発展する恐れが出てきた。世界反ドーピング機関(WADA)は13日、ロシアのハッカー集団によるサイバー攻撃で、リオデジャネイロ五輪に関わる選手の機密データがインターネット上に流出したと発表。米当局はロシア政府との関連を示す証拠があるとして調査に乗り出した。

WADAはリオ五輪前にロシアの国家ぐるみの不正な薬物使用を告発したため、その報復との見方が出ている。米ロ間の新たな火種は、連携を模索するシリア停戦や北朝鮮の核問題への対応にも影響する恐れがある。

WADAの発表では「ファンシーベア(幻想的な熊)」と名乗るハッカー集団の攻撃で、米国のスポーツ選手らの情報が流出した。ハッカー集団は追加情報も公開する意向を示しているという。

これに対してロシアのペスコフ大統領報道官は「いかなるロシア当局や情報機関も関与していない」と反論した。

WADAはリオ五輪直前にロシア選手団の締め出しを勧告。国際オリンピック委員会(IOC)は各競技団体に判断を委ねたものの、同国陸上チームなどは五輪に出場できなかった。さらに現在開催中のリオ・パラリンピックではロシアは全面的に出場禁止となった。

ドーピング問題についてロシアのプーチン大統領は「スポーツを地政学上の圧力に利用する動き」などと発言。国内向けに「米国の陰謀」との印象を植え付けてきた。

ロシアの関与が疑われる攻撃は今回だけではない。6月には米民主党のシステムが攻撃され、機密メールが流出。この時もファンシーベアが関与したとされ、米当局はロシア軍の傘下の集団との見方を強める。米の複数の州の選挙システムが不正にアクセスされたことも明らかになっている。

ロシアのウクライナへの軍事介入などを巡り対立してきた米ロは先週、内戦が続くシリアの一時停戦や「イスラム国」(IS)など過激派組織の掃討作戦での連携に合意したばかり。その矢先に今回のサイバー攻撃問題は起きており、北朝鮮の核実験に対する国連安全保障理事会での制裁決議の行方にも影を落とす。

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