ウクライナ東部で再び緊張 停戦監視団「砲撃1000回超」

2015/4/13付
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【モスクワ=田中孝幸】2月に停戦が発効したウクライナ東部で軍事的緊張が再び高まっている。欧州安保協力機構(OSCE)の停戦監視団はドネツク州で12日、日中の約6時間で砲撃とみられる1166回の爆発音を確認。停戦合意違反に当たる戦車や重火器による戦闘を目撃した。関係国の外相が13日に和平の方策を協議するが、緊張緩和につながるかは予断を許さない。

OSCEがこれほどの大規模な戦闘を確認するのはおよそ1カ月半ぶり。政府軍は12日に親ロシア派が停戦合意を50回以上違反したと非難。親ロ派は13日、前日からの24時間で政府軍が66回の停戦違反を犯したと主張した。ウクライナのメディアによると、ドネツク州で12日、同国軍と親ロ派武装勢力との間で激しい戦闘が発生、双方の兵士が計3人死亡した。

背景には東部の将来を巡って深まるウクライナ政府と親ロ派の対立がある。政府は先週、東部地域の自治権拡大や憲法改正を巡る親ロ派との協議を拒否。ウクライナ民族主義を掲げる右派勢力に接近し、ロシアとの対決姿勢を一層強めた。

親ロ派の後ろ盾であるロシアは猛反発し、ラブロフ外相は12日、ポロシェンコ政権の最近の政策を「過激だ」と批判した。非常事態省は13日、親ロ派支配地域への新たな「人道物資」を送ると発表した。

2月の停戦合意をまとめたロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの4カ国外相は13日、ベルリンでウクライナ問題を協議する予定。親ロ派やロシアは話し合いを優位に進めるため、ウクライナへの軍事的圧力を強めようとした可能性がある。

一方、ロシアとウクライナの統制がききにくい双方の過激な民兵組織が暴走したとの見方も出ている。ロシアの政治技術センターのアレクセイ・マカルキン副所長は「両国には停戦合意を破棄する意図はなく、今回の戦闘は偶発的に起こった可能性が高い」と語った。

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