2019年5月23日(木)

OPEC生産量、協調減産後の最高水準に
免除のリビアなど増産 効果が薄らぐ

2017/6/13 20:02
保存
共有
印刷
その他

【ロンドン=黄田和宏】石油輸出国機構(OPEC)は13日、5月の加盟13カ国(新規加盟を承認した赤道ギニアを除く)の生産量が日量3214万バレルとなり、前月に比べ34万バレル弱の大幅増になったと発表した。昨年12月に非加盟の主要産油国と協調減産で合意して以降、最高水準となる。減産の適用を免除されているリビアやナイジェリアの生産量が回復し、減産の効果が薄らいでいる。

リビアとナイジェリアの2カ国で、5月の生産量を35万バレル押し上げた。両国は地政学リスクの高まりにより生産量が落ち込んでおり、減産の適用除外となってきたが、両国の生産回復が原油市場の需給改善を急ぎたいOPECにとって新たな悩みの種となっている。

ナイジェリアでは英蘭石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルが武装勢力の攻撃を受けて生産を停止していた油田からの輸出を今月再開。生産量が現状の170万バレル弱から200万バレルに近づく可能性が出ている。リビアも80万バレルを上回る水準を一時回復するなど、加盟国全体では生産量が増える要因が多い。

減産で合意している11カ国では、合計の減産量が基準となる生産量に比べて124万バレル弱と、目標とする約120万バレルをやや上回った。もっとも、目標の達成率は4月からほぼ横ばいで、減産で先行してきたサウジアラビアなどの減産が一服。OPEC第2位の産油国イラクも減産に消極的で、減産効果に一巡感が広がっている。

OPECは5月下旬に開いた総会で、1月から実施してきた非加盟国との日量180万バレル弱の協調減産を、来年3月まで9カ月間延長することで合意したばかりだ。ただ、原油市場は効果に懐疑的で、総会後に原油安が進んだことで対応に苦慮している。国際指標の北海ブレント原油先物の期近物は直近で一時1バレル47ドル台前半と、1カ月ぶりの安値圏で推移する。

OPECは今回の月報で、2017年の非加盟国の原油生産量の見通しを下方修正。協調減産での合意を受け、協調に加わるロシアやカザフスタンの生産見通しを引き下げたのが主因で、前月時点に比べ11万バレル少ない5814万バレルになる見通し。これを受けて、17年のOPEC産原油に対する需要見通しを10万バレル多い3202万バレルに小幅に引き上げた。

協調減産に参加する各国は減産効果を見極めるため当面は静観する構えで、ロシアのノワク・エネルギー相は11日、カザフスタンの国際会議で、「現時点では減産合意を見直す必要はない」と述べた。サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相も「石油在庫の減少は今後3~4カ月で加速するだろう」と、夏場の需要拡大と減産の効果で、需給改善が進むことに期待を示した。

経済協力開発機構(OECD)加盟国の石油の商業在庫は4月時点で約30億バレルに減少したものの、なお過去5年平均を2億5000万バレル上回る。北米のシェールオイルの増産などでOPECの想定通りに在庫削減が進まなければ、再び原油安が加速するおそれがある。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報