2019年2月23日(土)

ギリシャ支援で原則合意 ユーロ圏、15日まで法制化条件に

2015/7/14付
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【ブリュッセル=森本学】ユーロ圏19カ国は13日、ブリュッセルで開いた緊急首脳会議で、財政危機に直面するギリシャへの金融支援の再開について条件付きで合意した。ギリシャが15日までに増税や年金改革などの主要な財政法案を議会で可決すれば、3年で820億ユーロ(約11兆円)超の支援実施に向けた手続きに入る。ギリシャがユーロ圏から離脱する最悪のシナリオは当面、避けられる見通しとなった。

12日午後に始まった首脳会議は約17時間に及ぶ徹夜の協議となった。終了後に記者会見した欧州連合(EU)のトゥスク大統領はギリシャ支援の再開について「全会一致で合意した」と説明。欧州委員会のユンケル委員長は「これでギリシャのユーロ離脱はない」と言明した。

ユーロ圏側は支援再開の条件としてEUに提出した財政改革案のうち、主要な財政緊縮策を15日までに法制化することをギリシャに求めた。

日本の消費税に相当する付加価値税の増税や、年金の減額などの法案成立が対象となる見込み。ギリシャの法制化を見届けたうえで、EUは金融支援の再開に向けた正式な手続きに着手する。

EUが課した厳しい条件にはギリシャ国内に反発の声もある。チプラス首相がギリシャ議会を説得して法案を成立させ、金融支援を受けられるかはなお予断を許さない。

金融支援は主にユーロ圏が財政危機国を助けるための基金「欧州安定メカニズム(ESM)」を活用し、820億~860億ユーロを融資する。ユーロ圏高官によると、ドイツやフィンランドなど6カ国で国会の事前承認が必要になるため、ESMの発動は早くて7月末になる。

ギリシャは20日に欧州中央銀行(ECB)への資金返済が期限を迎える。緊急のつなぎ融資を13日に開くユーロ圏財務相会合で協議した。欧州委などの試算によると、ギリシャ政府は20日までに70億ユーロ、さらに8月半ばまでに50億ユーロの資金を確保する必要がある。

ギリシャが求めていた債務の減免に関しては、詳細を明らかにしていない。EU側は借金の棒引きには応じないが、返済期限の延長といった軽減策を検討する方針だ。

ギリシャの国有施設の民営化を加速するため、同国に500億ユーロ規模のファンドを創設することも決めた。国有施設をギリシャ政府からファンドへ移管し、民間企業への売却などで現金化し、ギリシャの銀行の資本増強などに充てる。

EUとギリシャ政府は緊縮財政策を巡って対立し、金融支援が6月末で失効した。資金繰り難に陥ったギリシャ政府は先進国として初めて国際通貨基金(IMF)への支払いを延滞し、事実上の債務不履行(デフォルト)に陥るなど経済が混乱している。ユーロ離脱や財政破綻が現実味を増し、早期の金融支援の再開が急務となっていた。

ギリシャへの金融支援は10年の第1次、12年の第2次に次いで、今回は実行されれば第3次となる。

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