2018年6月22日(金)

トランプ氏、米外交刷新 国務長官に親ロ派ティラーソン氏

2016/12/14 1:01
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 【ワシントン=吉野直也】トランプ次期米政権の陣容がほぼ固まった。最大の焦点だった次期米国務長官には、米石油メジャー最大手エクソンモービルのレックス・ティラーソン最高経営責任者(CEO、64)の起用が決まった。オバマ現政権が対立したロシアのプーチン大統領と親交のある同氏を政権の要に置き、米外交を刷新する。経済閣僚に経営者を多く登用し、国内経済を第一とする姿勢を鮮明にした。

 トランプ次期大統領が13日、ティラーソン氏を次期国務長官に指名すると発表。政権移行チームの声明を通じて「ティラーソン氏の経歴はアメリカンドリームを体現したものだ」と称賛し「米国の核心的な安全保障上の利益に重点的に取り組むだろう」と語った。ティラーソン氏も「同盟国と連携を強化し、国益を共有し、安全保障を高めることに焦点を当てなければならない」と訴えた。

 ティラーソン氏はロシア事業と深く関わり、2013年にプーチン氏から「ロシア友好勲章」を授与された。親ロシア派の起用を疑問視する声は共和党にも強く、マケイン上院議員は「プーチン氏と個人的に関係が近いことは懸念」と断じた。

 米メディアによると、ロシアが大統領選でトランプ氏の勝利を狙ってサイバー攻撃を仕掛けたとする分析結果を米中央情報局(CIA)がまとめた。トランプ氏は対ロ関係の改善を探るとみられるが、ロシアへの無原則な接近は、反ロシア感情が根強い米世論の風向きを変える可能性もある。

 ティラーソン氏は外交の実務経験がない。トランプ氏が最重要課題に挙げる過激派組織「イスラム国」(IS)掃討などテロとの戦いは元米軍幹部のマティス次期国防長官や、フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)が主導する見込みだ。

 南シナ海での中国の海洋進出や、北朝鮮の核・ミサイル開発への対応、日本との同盟強化を含めた外交、安全保障を巡る手腕は未知数だ。ペンス次期副大統領やプリーバス次期首席大統領補佐官は12年大統領選の共和党候補、ロムニー氏を次期国務長官に推したが、一部の側近が反対した。

 米閣僚の最上格ポストである国務長官人事が固まり、次期政権の陣容がほぼ整った。安全保障分野ではマティス氏ら元軍人を相次いで起用した。

 経済分野では国家経済会議(NEC)委員長にゴールドマン・サックス社長兼最高執行責任者(COO)のゲーリー・コーン氏を起用。経営者らを重用し、国内の雇用創出などを重視する布陣を意識した。米主要メディアは13日、次期エネルギー長官にリック・ペリー前テキサス州知事の起用が固まったと伝えた。

 強硬色の強い安保分野のメンバーと、穏健に映る経済分野の閣僚のいずれが主導権を握るかによって、トランプ政権の行方も左右されそうだ。

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