2019年1月16日(水)

仏、クルド部隊に武器供与 イラク新政権にらみ支援

2014/8/13付
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【ドバイ=久門武史】フランス政府は13日、イラク北部のクルド自治政府の治安部隊に武器を供与すると表明した。イスラム過激派「イスラム国」への反撃を後押しする狙い。米国は既に武器供与を始めている。イラクの次の首相候補として、マリキ現首相と同じイスラム教シーア派出身のアバディ連邦議会副議長が指名され、新政権樹立に動き出したことを受け、米欧主要国が軍事支援を本格化している。

オランド仏大統領は声明で「クルド自治政府の緊急の要請に応じ、バグダッド(の中央政府)との合意の下に武器を供与する」と表明した。武器の種類や数量は明らかにしていない。

6月にイラク北部に進撃した「イスラム国」は、8月に入りクルド人自治区の境界一帯を襲撃。抗戦するクルド部隊は小火器が装備の中心で、対抗のため強力な武器の供与を訴えていた。ただ、クルド人勢力は中央政府を率いるマリキ首相とは緊張関係にあった。

米欧はイラクに求めた挙国一致政権の樹立に一定の道筋がついたとみて、支援を強めているもようだ。オバマ米政権は12日、イラクに人道支援強化のため米兵約130人を追加派遣した。英国は同日、人道支援を目的に少数の輸送用ヘリコプターを派遣すると発表。クルド部隊への武器輸送に協力するとも表明した。

このほかドイツは装甲車両や暗視装置など殺傷能力のない装備の供与を検討している。ロイター通信によるとイタリア、チェコも支援に前向きだという。欧州連合(EU)は15日、臨時の外相理事会を開きイラク問題などを協議する。

一方、暫定的に職務を続けるマリキ首相は13日のテレビ演説で「連邦裁判所の決定がなければ、政権は代わらない」と述べ、司法判断がない限り退陣を拒否する意向を強調。マスーム大統領が次の首相候補にアバディ氏を指名したことを「憲法違反」と否定した。

ただ裁判所の判断の有無にかかわらず、議会の多数に加え米国、イランなども首相交代を支持。マリキ氏がこれを覆せる見込みは極めて薄い。マリキ氏は12日、治安部隊に政治混乱から距離を置くよう命じ、政争に利用しない姿勢を強調した。

現地からの報道によると首都バグダッドでは13日、通常より多い軍用車両が配置され、緊張が続いている。国営テレビは同日、アバディ氏が組閣作業に入っていると伝えた。バグダッドでは12日、アバディ氏の自宅近くの検問所で自爆テロがあった。死傷者は伝えられていない。

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